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週刊DBオンライン 五味明子

Twitter株価大暴落のワケ/AWS初の決算報告 ― 独断と偏見のITニュース2015.04


 ゴールデンウィーク突入でなんとなくリアルもネットも浮かれ気分が漂っていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。ずいぶんとご無沙汰していた本コーナーですが、この4月にいろいろあったITニュースをワタクシの完全な独断と偏見で3つほど取り上げてみたいとおもいます。独断と偏見とあるとおり、基本的に筆者のTwitter上で取り上げた話題をベースにしているので、世間的には大々的に報道されたApple Watch発売やMicrosoftのイベントなどはいっさいスルーしておりますが…ご了承ください。

Linux 4.0登場で春のLinuxまつり開催中!

 4月12日(米国時間)、Linuxカーネルの最新バージョンであるLinux 4.0がリリースされました。このLinux 4.0では長いことユーザが待望していたカーネルのライブパッチ機能がサポートされています。この機能により、運用管理者はカーネルにパッチを当てる際、システムを止めて再起動する必要がなくなったワケです。Oracle LinuxのKspliceのほか、Red HatやSUSE Linuxといったいくつかの商用のディストリビューションは独自のライブパッチ機能を実装していましたが、やはりカーネルのメインラインでサポートされるに越したことはありません。

 もっともLinuxの生みの親にして現在もカーネル開発のリーダーであるLinus Torvalds氏は「Linux 4.0はそれほどビッグバージョンじゃない」と繰り返しコメントしています。バージョンナンバーを4.0にしたのも、前バージョン(3.19)の数字が大きくなりすぎたからというシンプルな理由であることを強調しており、とくにイノベーティブなリリースではないとのこと。むしろ次のLinux 4.1のほうが変更点も多く、サイズ的にも"much bigger"になるとしています。

Linux生みの親のLinusさん。いまもLinuxプロジェクトを率いるカリスマ的存在だけど、たまにちょっと口が悪くなる
Linux生みの親のLinusさん。
いまもLinuxプロジェクトを率いるカリスマ的存在だけど、たまにちょっと口が悪くなる

 さて、Linux 4.0が出たからというワケではないですが、この春は主流のLinuxディストリビューションがこぞって大きなアップグレードを発表しています。2年ぶりのアップデートとなった「Debian 8 "Jessie"」(4/25)、Debianをベースにしている「Ubuntu 15.04」(4/22)、Red Hat Enterprise Linuxのオープンソースプロジェクト「CentOS 7.1」(3/31)などがメジャーなところでしょうか。このうちDebian 8とUbuntu 15.04はいずれもデフォルトの起動システムをUpstartからsystemdに変更し、話題を呼んでいます。ちなみにマニアックなところでは、RHELのオープンソース版コピーである「Scientific Linux 7.1」(4/13)もリリースされました。Red HatのプロジェクトであるCentOSとほぼ同じ時期にリリースできたのはかなりスゴいことのように思えます。

 メジャーディストリビューションといえばRed Hatがサポートする「Fedora 22」、こちらはやや開発が遅れていて、現状ではまだベータ版にとどまっています。ですが先進性をウリにするFedoraらしく、Fedora 22のカーネルにはLinux 4.0以降を採用することを明言しており、現状のベータ版にはLinux 4.1-rc版が使われています。正式リリースは5月末が予定されていますが、おそらくタイミング的に見てLinux 4.1を実装するものと思われます。Ubuntuがカーネルで4系をサポートするのは早くても10月予定の「Ubuntu 15.10」になるので、メジャーディストロで初の4.xを採用するのはやはりFedoraになりそうですね。

 Linuxディストロといえばちょっと驚いたニュースが今月はありました。「Linuxの成果をさんざん利用しているのにLinuxコミュニティに何も還元してない!」とオープンソース界隈から非難されてきたVMwareがなんとオープンソースのLinuxディストリビューション「Photon OS」をGitHubに公開したのです。VMwareは現在、Dockerなどコンテナ環境のサポートに力を入れていますが、PhotonもDocker、Pivotal Garden、rocketなどのサポートを含んでおり、コンテナ時代の到来を強く意識しているようです。「コンテナによってvSphereなどVMwareの仮想化ビジネスは危機に追いやられる」という報道を筆者も何度か目にしたことがあるのですが、VMwareとしては逆にコンテナとVMwareソリューションの親和性の高さを強調したいみたいですね。このへんの動きは引き続き注意して見る必要がありそうです。

Twitter株が大暴落で大損失! その原因はお粗末なデータ管理

 企業にとって正式発表前にその内容がリークされることは、ときには経営の危機をもたらすほどの大打撃となりえます。今回のTwitterの株価ダダ下がり事件はそうした危険性を印象づけるには十分なインパクトだったかもしれません。

 4月28日(米国時間)に発表されたTwitterの2015年第1四半期の決算内容は、前年比で74%の売上増だったにもかかわらず、アナリストの予測値を大きく下回ったということでTwitterの株価を大きく下げました。その下げっぷりたるや一時はストップ安にもなるほどで、最終的には始値から20%ダウン、額にして約80億ドル、日本円で1兆円近い損失を1日で出してしまいました。いくら決算の内容が期待以下だったとしても売上増を計上しているのに、こんなにあきれるほどにひどい株価下落が起こるものなのでしょうか。

 米国の株式市場のルールでは、各企業は前日の市場がクローズしてからIR情報をサイトに起き、翌日に備えます。市場がオープンしている間に決算情報が流れると、場合によっては大きな混乱が誘発されてしまうからです。ところが何の手違いかTwitterは誤ってQ1決算情報を同社のIRサイトに置いてしまいました。そしてこの情報をすばやく察知したのが米国のベンチャー企業SelerityのTwitterボットです。Selerityは投資家を対象にIR情報を速く正確に提供するサービスを提供しており、このボットもその一環で、各企業のIRサイトに情報が置かれると45秒以内で日付や金額といったパラメータを読み取って自動でツイートを配信します。今回のTwitterの情報を流した件についても「Twitter社のIRサイトに置いてある情報を使って配信した。リークしてもらったわけでもないし、ハックもしていない(https://twitter.com/Selerity/status/593136296236752896)」と表明しています。

 つまりSelerityは何ら違法なことをやったわけではなく、Twitterのデータ管理の甘さが今回の事件を引き起こしたことになります。むしろSelerityはツイート後、わざわざTwitterに「IR情報が出ちゃってるけど大丈夫?」と逆に教えてあげたとのこと。もちろん大丈夫なワケはなく市場は大混乱、Twitterは痛い代償を払うハメになりました。

 どんなに良いセキュリティ製品を入れても、どんなにコンプライアンスを高めても、人間によるオペレーションミスはなくすことができず、それが致命的な傷になることが多いことを象徴するようなアクシデント。踏んだり蹴ったりのTwitterは3カ月後のQ2決算で巻き返すことができるのでしょうか。

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AWSが初の決算報告、Q1売上15億ドルは多いか少ないか

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