今回は、チーム作業を進める上でもっとも重視してほしいアクションである「ふりかえり」について解説します。ふりかえりは「改善効果」だけでなく、チームに「正直に物事を言える」空気をもたらします。まず、「基本編」では、ふりかえりの概要について説明します。
もっとも重視したい実践「ふりかえり」
今回とりあげるのは「ふりかえり(振り返り)」と呼ばれる実践です。ふりかえりは筆者がチーム作業を行う際にもっとも重視したい実践で、できるだけ多くのチームで積極的に取り上げて欲しいと考えています。
一般に「ふりかえり」と入力して変換される言葉は「振り返り」ですが、本稿では「ふりかえり」というひらがなで表記することにします(※1)。
「ふりかえり」の方が親しみやすいというのがその理由です。詳しくは筆者の blogを参照ください。
「ふりかえり」と「反省」は似て非なるもの
ふりかえり (振り返り)とは、辞書で「振り返る」を引いてみると(大辞泉)次のようになっています。
1. 後方へ顔を向ける。振り向く。「背後の物音に—•る」
2. 過ぎ去った事柄を思い出す。回顧する。かえりみる。「この一年を—•る」
本稿で紹介するふりかえりは、どちらかと言うと2.の意味に近いのですが、若干異なります。辞書的に定義するならば、次のようになります。
3. 過ぎ去った事柄を思い出し、次への行動を導き出す
言葉を変えると「反省会」という言い方もできるかもしれませんが、敢えて反省という言葉は使用しません。反省を辞書(大辞泉)で引いてみると、次のような意味が出てきます。
1. 自分のしてきた言動をかえりみて、その可否を改めて考えること。
「常に—を怠らない」「一日の行動を—してみる」
2. 自分のよくなかった点を認めて、改めようと考えること。
「—の色が見られない」「誤ちを素直に—する」
筆者が反省という言葉から受けるのは「よくなかった点にのみ注目する」というイメージです。
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懸田 剛(カケダ タケシ)
株式会社 永和システムマネジメント所属。フリーランスエンジニア、教育、コンサルタントを経て、プロジェクトの見える化ツールTRICHORDの開発リードを努める。昨年に一斉を風靡した(?)腰リールメモの考案者でもある。個人の日記は http://giantech.jp/blog/最近はソフトウェア技術関...
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