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「費用対効果の悪い会社は狙わない」―攻撃のROIを下げる方法とは?

 インターネットからの脅威に対し、企業はファイアウォールを設置したり、アンチウィルスを導入したり、さまざまな対策を行ってきた。しかし、セキュリティ対策は一度行えば完了というものでもない。これからの企業に求められるセキュリティ対策とはどのようなものか。経営者、セキュリティ担当者が行うべきこととは何か。日本マイクロソフト マイクロソフトテクノロジーセンター セキュリティアーキテクトの蔵本雄一氏がデモを交えて解説した。

セキュリティ対策の最大公約数は「クライアント保護、データ保護、ID保護」

 「セキュリティ対策を実施する場合、まず重要になるのが最大公約数を考えることだ」と蔵本氏は語る。例えばサイバー攻撃対策、ワークスタイル変革、マイナンバー対策を検討するとしよう。これらの対策に関して個別に検討し、予算を取っていくと、コストもかかりキリがない。

日本マイクロソフト マイクロソフトテクノロジーセンター セキュリティアーキテクトの蔵本雄一氏

日本マイクロソフト マイクロソフトテクノロジーセンター
セキュリティアーキテクトの蔵本 雄一氏

 例えばワークスタイル変革で在宅ワークを許可するのであれば、社外でもデバイスやデータが安全に利用できるようなセキュリティの検討が必要になる。これまでのようにインターネットとイントラネットの境界領域で防御することはできないため、クライアントやデータ、ID保護が必要になると蔵本氏は説明する。

 ではサイバー攻撃についてはどうか。今はサイバー攻撃の主流は、悪意あるメールを送ってクライアントを乗っ取り、そこからサーバ上の機密情報を盗み出すという流れである。サイバー攻撃対策で求められるのは、ワークスタイル変革と同様のセキュリティ対策である。また、この対策はマイナンバー対策においても求められる。

 つまり、これら3つの対策における最大公約数は「クライアント保護、データ保護、ID保護」になるというわけだ。そしてこのような最大公約数を考える際に使えるのが「PEST分析(外部環境要因分析)というマーケティング手法だ」と蔵本氏は言う。これを使ってどんな対策をすればサイバー攻撃対策以外にも活用でき、効率的なのかを洗い出すことが重要だと蔵本氏は述べる。

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経営層とITエンジニアの”認識のプロトコル”を合わせるために

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この記事の著者

中村 仁美(ナカムラ ヒトミ)

教育大学卒業後、大手化学メーカーに入社。その後、ビジネスや技術に関する専門雑誌や書籍を発行する出版社、ITに特化したコンテンツサービス&プロモーション会社を経て、2002年、フリーランスライターとして独立。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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