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IoT時代のエンタープライズ・アーキテクチャ入門

誤ったIoTビジネス参入が、情シス部門を崩壊に導く

 これだけIoTというキーワードが流行っていても、なかなか世間で言及されていない話題があります。IoT関連のネット記事を見ていると、まずIoTのテクノロジや製品の話題があり、次にIoTでビジネスをどう変えるかという話題があります。しかし、IoTのモノ(機器)を含む情報システム全体をどう管理して運用していくのかという話題はまだ少ないようです。企業がIoTを活用した新しいビジネスを始める際には、ビジネスモデルだけでなく、IoTの管理方法を考えていく必要があります。それが、今回のテーマです。

管理が複雑になる要素は、膨大な数のモノ(機器)だけではない

 IoTの管理は複雑になりがちです。最初にイメージしやすいのは、モノ(機器)の管理だと思います。日本語ではモノのインターネットと表現されるIoTにおいて、管理対象となるモノ(機器)の数は膨大です。これを何の工夫もなく単純に管理しようとすると、情シス部門(もしくは、IoTの管理を担当することになった部署)の業務は崩壊します。

 IoTによって管理が複雑になる要素は2つあって、そのうち1つはIoTのモノ(機器)そのものの管理です。その特徴を見てみると、数量は膨大、種類は多様、所在する場所は定まらず広範囲であり、管理しづらい要素が揃っています。また、接続されるインターネット環境も安定しているとは限りませんし、可用性の高いモノ(機器)ばかりでもありません。従来からあるパソコン端末や携帯電話といったオフィス機器と同じように管理するのは、ほぼ不可能といえます。

図1:IoTによって管理が複雑になる2つの要素

 もう1つ考えなくてはいけないのは、IoTと複雑に連携する周辺の情報システムの管理です。実は、IoTを活用して新しいビジネスを実現しようとすると、企業内の情報システム間の連携が増加します。ビジネスを変えるためには、単純にモノ(機器)が発するデータを収集するだけに留まらず、そのデータを活用するように基幹系システムやフロント系システムと双方向で流通させる必要が出てくるからです。そして、情報システム間の連携が複雑になった状態をそのまま放置しておくと、情シス部門の業務負荷の増大につながります。

 今回は、IoTにおいて複雑になる2つの管理 ――「IoTのモノ(機器)の管理」と「IoTと複雑に連携する周辺の情報システムの管理」について、それぞれ注意すべきポイントを見ていきます。

 まず1つ目の「IoTのモノ(機器)の管理」で注意すべきなのは、情シス部門と他部門の間に生じがちな2つの意識の齟齬です。

次のページ
IoTのモノ(機器)の管理で生じがちな"意識の齟齬"

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この記事の著者

安田 航(ヤスダ ワタル)

NTTテクノクロス株式会社 EAストラテジスト
NTTソフトウェア入社(現社名、NTTテクノクロス)以来、エンジニア、ITコンサルタントとして活動。EA(エンタープライズ・アーキテクチャ)手法を駆使したIT戦略/グランドデザインの策定と推進に多数の実績を持つ。日本企業の縦割り的な情報システムの考え方に...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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