SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

直近開催のイベントはこちら!

EnterpriseZine編集部ではイベントを随時開催しております

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

「PostgreSQL」 使いこなしの極意(AD)

「PostgreSQL」 使いこなしの極意――OSS共通の課題を乗り越える

ユーザー企業がPostgreSQLを採用する際の課題

 次に一般のユーザー企業がPostgreSQLを採用する際の課題について考えてみたい。

 大きな課題の1つが、サポート体制だろう。コミュニティベースのOSSのため、利用していて課題にぶつかった際には自己責任で問題解決するのが基本だ。こうしたサポートの観点から敷居が高いと感じているユーザーが多いようだ。特に日本企業の場合、自社内にPostgreSQLに精通したスキルの高いエンジニアを抱えていない企業も多い。そのため、問題の切り分けを行い、原因を追及するなどの作業を行うことが社内エンジニアだけではなかなか難しい現状がある。

 問題の原因が明らかになった場合には、解決策を自分で探し、パッチを当てるなどの作業も自分で実施しなければならない。これには、ソースコードレベルでPostgreSQLに精通したエンジニアが必要になり、こうした作業を確実にこなせるエンジニアを社内で育成するのも大変だ。

 また、障害などの原因が判明しても、その解決策がないという場合もあるだろう。解決策を得るには、原因の詳細をコミュニティに報告し、パッチなどを誰かに作ってもらう必要がある。

 障害が深刻なもので、多くの人に影響を及ぼすものであれば、コミュニティはすぐに動いてくれるだろう。実は障害への対応は、コミュニティベースで開発、メンテナンスがなされているOSSのほうが商用製品よりも速いという声も聞こえてくる。これは極めて数多くの人が関わるコミュニティベースのOSSのメリットとも言えるだろう。

 しかし、障害が自社環境のみで発生するものであったり、全体としてはそれほど影響がなかったりすると、コミュニティでのパッチ作成のプライオリティは下がる。深刻な問題でなければ次回のバージョンアップ時の対応になるかもしれない。そうなれば解決策が出てくるのを待つしかない。

 また、PostgreSQLのサポート期間はメジャーバージョンアップから5年で終了する。これでは、安定したバージョンを長期にわたり利用したい企業の用途には、PostgreSQLは向かないことになってしまう。

 他にも課題となるのが、データベースの信頼性や可用性などミッションクリティカルなシステムであるほどに運用上重要になる機能が一部不足している点だ。商用データベースであれば簡単に実現できることが、PostgreSQL単体ではなかなか実現できないこともある。

 最近では、こうしたPostgreSQLの足りない部分を補うツールやオプション機能も多く登場している。しかし、世の中にどのようなツールや機能があり、どう組み合わせるとどんなことが実現できるのかは、自分で調べる必要がある。調べたらもちろん、それを組み合わせる環境を構築し、目的通りに動くかのテストが必要だ。それを行うのも自分たちだ。これらもまた一般企業のIT部門にはかなり敷居が高いものかもしれない。

最新ホワイトペーパー『システム担当者が押さえておきたいデータベース移行のポイント――データベース移行時の考え方・方法・留意点』(無料PDF)

『システム担当者が押さえておきたいデータベース移行のポイント――他社データベースから移行する際の考え方・方法・考慮点』

本ホワイトペーパー資料『システム担当者が押さえておきたいデータベース移行のポイント――データベース移行時の考え方・方法・留意点』(A4版、5頁、PDF版)では、システム担当者がデータベースを移行する際の基本的な考え方、移行作業の流れや方法、注意点についてポイントを分かりやすく解説します。また、DB移行のハードルを下げる富士通の各種支援サービスをご紹介します。ぜひ資料をご覧いただき、DB移行の参考資料としてお役立てください。

詳細&資料ダウンロードはこちら!

次のページ
スキルフルなパートナーと一緒にPostgreSQLを使いこなす

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
「PostgreSQL」 使いこなしの極意連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/8070 2016/06/09 13:08

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング