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「PostgreSQL」 使いこなしの極意(AD)

「PostgreSQL」 使いこなしの極意――OSS共通の課題を乗り越える

スキルフルなパートナーと一緒にPostgreSQLを使いこなす

 こうしたOSS特有の課題がある中で、企業がPostgreSQLを使いこなすにはどうすべきか。その選択肢の1つは、PostgreSQLの十分な技術スキルを持っているパートナー企業と一緒になってPostgreSQLのシステムを構築し、運用する体制を作ることだ。

ユーザー企業は、パートナーと一緒になってPostgreSQLを使いこなしていく姿勢が重要だ

ユーザー企業は、パートナーと一緒になってPostgreSQLを
使いこなしていく姿勢が重要だ

 PostgreSQLを独自にサポートしてくれる企業が、国内でもすでにいくつか出てきている。彼らに依頼することで、サポートの問題も解決できるだろう。サポートサービスを提供するベンダーにもサポートサービスだけを提供する企業もあれば、自らPostgreSQLベースのデータベース製品を提供しより深いレベルでサポートを行うベンダーもある。たとえば、富士通の場合は、自社のデータベース製品ラインナップにPostgreSQLベースの「FUJITSU Software Symfoware Server(PostgreSQL)」(以下、Symfoware Server(PostgreSQL)を加えている。これを利用することで、富士通独自の長期サポートサービスを受けることが可能だ。

 富士通の長期サポートサービスは、販売終了後5年間のサポートはもちろん、最短でも出荷から7年はサポートされる。これはSymfoware Server(PostgreSQL)でも適用される。5年を越えたサポートのニーズは、企業がビジネスで利用するシステムでは当たり前のようにあるだろう。富士通では、使用しているバージョンで解決策がコミュニティから提供されなくなった場合は、富士通のPostgreSQLに精通したエンジニアがソースコードレベルまで踏み込んで解決策を提示する。

 さらに富士通なら、PostgreSQLのサポートだけでなく、ハードからミドルも含めてシステム全体をワンストップでサポートする。このサポートにより、障害発生時に問題の切り分けを自ら行う面倒もなくなる。

▲PostgreSQLの障害も含め、富士通としてサポート。現在、PostgreSQLで動作しているアプリケーションもそのまま活用することが可能だ[クリックすると図が拡大します]

 また、信頼性や可用性の機能的に足りない問題も、PostgreSQLベースの「Symfoware Server(PostgreSQL)」では様々な方法で解決している。典型的な取り組みの1つがデータベースのログであるWALの完全二重化だろう。データベースのログ情報は、データベース・データのトランザクションレベルでの信頼性を確保する上で極めて重要だ。とはいえPostgreSQLの標準では、これをリアルタイムにディスクに書き出す機能がない。

 そこで富士通では、WALをリアルタイムに別々のストレージに書き込む拡張機能を施している。これにより、もし障害が発生した場合にもWALの情報は失われない。さらに、富士通ではPostgreSQLが持つストリーミング・レプリケーション機能を活用した独自のデータベースの二重化機能も提供している。これにより、可用性構成や災害対策構成なども容易に実現できる。

 最近ニーズの高いデータベース・データの暗号化についても、独自に拡張した透過的な暗号化機能を標準で実装している。これは、PostgreSQLの暗号化機能では対応していない一時表データの暗号化にも対応しており、データベースのテーブルデータだけでなくバックアップデータの暗号化も可能だ。この暗号化機能を利用する際に、既存のアプリケーションを改修する必要がないのもポイントだろう。こういった機能があってこそ、PostgreSQLがシステム規模に関わらずミッションクリティカル領域であっても利用できるデータベースになると言える。また、今まで商用データベースを利用していて、コスト面で諦めていた中小規模の企業でも利用しやすくなっている。

 性能面でも、富士通ではPostgreSQLに拡張を施している。ここ最近データベースの世界で話題のインメモリ機能をPostgreSQLに追加する予定だ(2016年度提供)。これはOracle Databaseなどが実装している、インメモリのカラム型データストアと同様なもので、データウェアハウスなどの処理をかなり高速化できるものとなる。

「Symfoware Server(PostgreSQL)」の特長

1.オープン・性能

  • オープン性
  • 互換性強化
  • 汎用的な開発インタフェース
  • マルチテナントによる高密度集約

2. 信頼性

  • 完全二重化技術
  • 暗号化技術
  • 災害対策

3. 安心

  • 長期保証
  • ワンストップサポート
  • 複数世代サポート
  • スマートソフトウェアテクノロジー
  • 主要な仮想化製品のサポート

 コミュニティ版OSSを自社だけで使いこなすのは大変だ。そんな場合にも、すでにPostgreSQLの扱いに慣れたスキルの高いパートナーを選択することで、一般の企業ユーザーでもPostgreSQLを使いこなせるようになるだろう。

 もちろん、ベンダー任せにするのではなくパートナーと一緒になってPostgreSQLを使いこなしていく姿勢が重要だ。それこそが、企業がOSSを最大限に活用することにつながるはずだ。

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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