SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

直近開催のイベントはこちら!

EnterpriseZine編集部ではイベントを随時開催しております

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZine Press(AD)

コグニティブビジネスは今や実用段階へと突入――IBM Watson Summit 2016が開催

 5月25日から2日間、日本IBMは「IBM Watson Summit 2016」を開催した。同社が進めているコグニティブビジネスやIBM Watsonの最新状況ほか、インキュベーションプログラムやブロックチェーンに関する取り組みについても発表された。

いま、IBM Watsonはここまで可能に

 「IBM Watsonはいま実用段階に来ています」。基調講演に登壇した日本IBM 代表取締役社長執行役員 ポール 与那嶺氏は高らかに宣言した。イベントが「Watson」を冠していることもあり、随所でIBM Watsonの現在が語られた。

日本IBM 代表取締役社長執行役員 ポール 与那嶺氏

日本IBM 代表取締役社長執行役員 ポール 与那嶺氏

 あえて言うまでもないが、IBM WatsonはIBMが開発し、提供している技術の一つ。膨大なデータをモデル化するなど学習することと、自然言語で応答できるのが特徴だ。質問に対して何らかの答えを導き出す。IBMはこうした技術を「コグニティブ(認知的な)」と表現し、ビジネスにつなげようとしている。余談だがIBMの初代社長はトーマス・J・ワトソン。  

 IBM Watsonがその名をとどろかせたのは2011年2月、クイズ番組「Jeopardy!」での優勝から。以来データ分析や学習、自然言語の解釈を中心に技術開発が急速に進展している。近年のIBM Watsonというと、何らかの専門分野において質問すると最適な回答を導き出す、自動応答システム的なものというイメージがある。最近では周辺技術の開発や買収が加わり、実現できることが増えてきた。 

 人物の表現や声のトーンから感情を分析する技術は、例えばコールセンターで活用できる。電話先にいる顧客がいらついていると把握できれば、より慎重な対応が求められる。質問への自動応答に感情分析が加われば、より適切な接客対応へと近づける可能性が広がる。  

 ほかにも「コグニティブ・ドレス」という変わったドレスが紹介された。これはドレスに縫い付けられた150個もの花をかたどった装飾が、ソーシャルの感情を反映して発色するというもの。ソーシャルを占める気分を把握するために大量かつ不確実なデータを分析し、結果を色という分かりやすい形で表現している。    

 人物の嗜好を把握する例も示された。ポール氏のTwitterへの投稿データから、性格や行動時間帯を分析。これを何に役立てるかというと、例えば旅行の計画がある。旅行会社が顧客の趣味や嗜好に合う旅行プランを提案するのに役立てることができると期待されている。IBM Watson関連技術はいまビジネスの実用段階にあるとIBMは強調した。  

 特別講演としてソフトバンク 代表取締役社長 兼 CEO 宮内謙氏が登壇。ソフトバンクは日本IBMとIBM Watsonを活用した日本語版サービスの提供へと努めてきた。2016年2月から提供開始しているサービス(API)には自然言語分類、対話、検索およびランク付け、文書変換、音声認識、音声合成の6つがある。

ソフトバンク 代表取締役社長 兼 CEO 宮内謙氏

ソフトバンク 代表取締役社長 兼 CEO 宮内 謙氏

 最初に話が持ち出された2年前、宮内氏は「これはすごいことになる」とビジネスや社会へのインパクトを直感したそうだ。現在ソフトバンクではIBM Watson技術を用いた「SoftBank BRAIN」を全社で構築中。その一つがコンタクトセンターへの導入で、現時点では質疑応答の履歴を読み込ませて精度を高めているところ。夏から本格稼働を計画している。ほかにもショップの接客サポートや法人営業の提案アドバイスでの活用もあり、生産性の向上や顧客満足度向上を目指している。  

 宮内氏は「今すでに国内で150を超えるソフトバンクの法人様がIBM Watson導入をご検討されています。IBM Watsonを使ったリアルビジネスが、いま始まろうとしています」と話した。例えば三菱東京UFJ銀行では、LINEを通じて顧客からの質問に回答するサービスにIBM Watson技術を活用して、サービス強化を目指しているという。

「IBM Watson Summit」イベント・ライブラリー公開中!

 

IBM Watson Summitのセッション関連資料や関連動画を掲載中!
詳細はこちらから *日本アイ・ビー・エムのサイトへ移動します。

次のページ
コグニティブ技術を活用している企業がパネルディスカッション

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
EnterpriseZine Press連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:https://emiekayama.net

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/8136 2016/06/17 11:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング