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【事例レポート】先端企業事例にみる、事業継続とITシステム(3)~JTBグループ

事業を止めない組織の条件

ITシステムは、いまや企業のビジネスと密接に関連している。ITシステムが止まれば、ビジネスが止まってしまう企業も増えている。今回は、いくつかの企業に、事業継続の対策、とくにITシステム関連の実際の対策状況について話を聞いた。 (IT Compliance Review vol.8より転載)

編集部注

災害対策=事業継続ではない

 日本のツーリズムマーケットのリーダーであるJTBグループは、「人と人との交流」を基軸にしたあらゆる交流場面において、より大きな感動や活力を呼び起こすサービスを提供することにより、顧客の心豊かな生活やグローバルコミュニケーション活動への貢献を目指す総合的な旅行会社だ。

 JTBグループは、2006年4月に新グループ経営体制がスタートしホールディング会社化に移行した。グループの中で、インターネット、コンビニエンスストアなどに置かれているKIOSK端末での旅行商品の販売に特化したサービスを展開しているのがi.JTB(アイ・ドット・ジェイティービィー)だ。i.JTBは、JTB本社のなかのWebトラベル事業部が分社化し設立した。

 JTBでは、かなり早い段階からWebを使ったビジネスを展開してきた。新しいサービスを積極的に素早く展開してきた結果、完璧で統合化されたITシステムを構築するのではなく、ビジネスの拡大に合わせ必要なITシステムを順次構築してきた状況だった。

 その状況を引き継いだi.JTBでは、2008年5月にITシステムインフラの再構築を行った。従来は利用するマシンの一部はJTB本社ビル内に設置していたが、今回のインフラ再構築のタイミングですべてデータセンターに移行している。今回実施したITシステムインフラの再構築では、情報セキュリティ面での強化、グリーンITへの対応、仮想化技術の導入などさまざまなものに対処している。

 i.JTB 経営企画本部 システム企画部 部長の野波直宏氏は、事業継続計画に何をもって取り組んでいると言うかは難しいと説明する。「本来であれば事業継続計画をきちんと策定し、運用面まで考慮した明確なマニュアル化をすべきなのはわかっているのですが、今回のインフラ再構築のなかでは、仕組みとして災害対策を取り入れるところまでしか実施していません」。

i.JTB 野波直宏氏
i.JTB 野波直宏氏

 現状、ある程度の災害対策までは行っているが、それをもって事業継続計画が完成しているとは言えない。運用面まで含めた完璧なマニュアル化まで行うべきだが、そこまで至っていないとのこと。

 せっかくITシステムインフラの再構築を行ったのになぜそこまで踏み込まなかったのかというと、今回の再構築はインフラ部分に対するものであり、その上で動くアプリケーション部分も含めた総合的なものではない。今回のタイミングで、個々のサービスを担うアプリケーションまでもが統合化されたわけではないのだ。個々のアプリケーションのレベルで、運用方法やサービスレベルが異なる状況では、統一化された事業継続計画を策定するのは難しいと判断したのだ。

 「システム全体を統合化と事業継続計画を並行してやっていくのは難しく、結果的に手間も時間も多大にかかることになる。まずは、システムがしっかりしてからでないと、きちんとした事業継続計画を策定するのは難しいと考えました。事業継続計画は、インフラ再構築後、ビジネスと連携してRTO、RPOの明確化はもとより、どの様な機能を提供できるかについてコストを見つつ検討していきます。」(野波氏)。

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セキュリティとレスポンスタイムに対する要求が高い

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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