注目の企業事例5選!モバイルアプリ開発の事例
お客様とつながる――モバイルアプリ開発の事例
事例1:レアル・マドリード「世界中の多くのファンとつながりチケット購入、
会員化等上位顧客セグメントへ誘導するパスを構築」
世界中にいる4億5000万人のサポーターと、もっと深くつながるためにモバイルアプリを配布。これまで一方通行だったつながりを双方向にしてサポーターが何をしてほしいかをモバイルアプリを通じて提供されるSNS機能、動画配信等の利用動向分析により捕捉。サポーターの意向をクラブの活動に反映させるよう活用している。
モバイルアプリの機能として、サポーターが望む情報を中心に、試合情報、試合結果とその動画、チケット情報、スタジアム内クーポンやSNSを提供している。
レアル・マドリード IDによりサポーター一人一人とつながれるようになり、サポーターが何に反応しているかをその属性を含めて捕捉し、サポーターの行動に敏感に反応するキャンペーンを展開できるようになった。
社員にパワーを――モバイルアプリ開発の事例
事例2:株式会社三井住友銀行「渉外業務のデジタル化を推進し、顧客向けサービスの強化」
2014年頃より渉外業務のデジタル化を推進し、顧客向けサービスの強化を進めている。その中で、住宅ローン事前審査を実行するWindows/iPad 両対応アプリをXamarinを活用し開発。同一アプリは渉外担当が持つWindowsタブレットと提携不動産企業店舗に設置されるiPadに展開されている。
住宅ローン審査は回答までに数日を要していたが、このアプリにより事前審査が15分で回答されるようになっている。顧客の住宅ローン申し込みの障壁を下げ、渉外担当だけでなく提携不動産店舗でも申し込み受付できることで利用数の増大を狙っている。今後も同様のケースでお客様向けサービス強化を推進される際にXamarinを使ったアプリ開発が期待される。
事例3:株式会社JR東日本情報システム
「顧客満足度向上に向け、基幹系システムから情報を引き出して社員が持つタブレットに配信」
顧客満足度向上に向け、基幹系システムから情報を引き出して社員が持つタブレットに配信し、その情報を活用して顧客向けサービス強化に役立てている。このモバイルアプリの機能利用状況の捕捉のために、タブレットにはAzureのモバイルアプリの利用状況収集サービスであるHockeyAppを、Web側にはWebアプリの利用状況収集サービスである Application Insightsを導入された。
モバイルアプリは継続して機能改善を行っていくことが必要であるためユーザーの利用状況の把握は非常に重要で、ユーザーが良く使う機能を強化することは顧客向けサービスの継続的な強化につながる。今後はこのサービスを利用してユーザーの利用状況からニーズを的確に捕捉し適切な機能強化を進めていくことが期待されている。
業務を最適化――モバイルアプリ開発の事例
事例4:Skanska USA「建設現場環境のモニタリングを実現」
プロジェクト遅延がプロジェクト全体の収支に大きく影響を与える建設現場。そのため業務環境を正確にかつ継続して把握し、必要に応じて素早く対応を行いプロジェクトの計画に反映することが必要になっている。
そこで振動、空気、熱等を常時モニタリングし、状態を監視しつつ、異常値を早期に関係者に通知することでプロジェクトスケジュールの管理に役立てている。建築現場に設置したセンサーから各種環境情報を収集しクラウドを介してデータを蓄積。異常データは関係者が保有するモバイル アプリに通知される。
データ収集作業と異常値検知、および、報告作業がアプリにより効率化され確実になっている。プロジェクト遅延回避による建設計画最適化とそれによるコストの抑制が実現されただけでなく、監視をすることによる汚染に関するコンプライアンスの照明も可能になった。
製品を変革――モバイルアプリ開発の事例
事例5:AVIVA「新たな保険料算定モデルとゲーミフィケーションにより新規見込み客を発掘」
自動車のテレマティクス データをスマートフォンの加速度センサーやGPS等を使って収集し、分析したドライバーの運転安全度を社会的な統計に代わって保険料金の計算に活用して魅力的な自動車保険を提案。Facebookで運転安全スコアを共有し他者と競わせることでアプリの利用者を拡大。結果として見込み客の拡大を実現している。
運転パターン計測と蓄積やデータのスコアリングを軸にFB連携でのソーシャル展開にも対応。そこからの保険提案につなげている。新規見込み客発掘はもちろんのこと、安全運転スコアを利用したゲーミフィケーションによってドライバーの安全意識を高めることにも寄与。支払い保険料抑制も期待されている。
デジタルトランスフォーメーションを実現するための環境は整った
上述した企業事例のように、モバイルを活用すれば従業員の生産性向上や、顧客の利便性向上を加速させることは実際に可能だ。また、モバイルアプリを通じた顧客向けサービス強化は企業のデジタル活用を進め、ビジネス獲得や顧客との関係を改善し、サービスのスピードを速め、顧客の対応力を高め、信頼性を向上させることに繋がる。
こうしたデジタルトランスフォーメーションにおいて、モバイルアプリは大きな推進役となっている。モバイルアプリはスタンドアローンではなく必ず“つながったアプリ”であり、その接続先はクラウドとなる。 マイクロソフトのパブリッククラウド「Microsoft Azure」では、各種のサービスを用意しているので、モバイルアプリ開発を容易に進めることが可能だ。また、マイクロソフトはモバイルアプリ自体の開発生産性自体も向上させるべく対応しており、クロスプラットフォーム開発ツールを導入している。
モバイルアプリは1つ作れば良いというわけではなく、開発対象プラットフォームが複数ある場合はその数の分だけ用意する必要がある。iOSとAndroid等、複数になるケースが昨今はほとんどで、開発工数が単純に対象プラットフォーム分の倍数にならないような工夫が求められる。
また、マイクロソフトはクロスプラットフォーム開発ツールを提供しているXamarin社の買収を2016年2月に発表し、コア部分をマイクロソフトの開発ツールであるVisual Studioにインテグレーションし無償で利用できるようにしている。このことによりモバイルアプリをクロスプラットフォームで開発できる2つのツール(CordovaとXamarin)をVisual Studio内に無償で揃えている。モバイルアプリの開発ツールであるVisual Studioとクラウドをスムーズに連携させることで、モバイルからクラウドまで包括的に生産性の高い開発環境を実現も可能だ。
企業の競争力を高めていくためには、デジタル化は今後ますます重要となるだろう。とはいえ、こうしたデジタル化への対応は多くの企業にとって技術やコスト面などで敷居の高い課題だった。だが、多くの企業の事例やマイクロソフトのサービスが示したように、デジタルトランスフォーメーションを容易に実現するためのテクノロジーや開発環境が、今ようやく本格的に整ったと言えるだろう。
ホワイトペーパー『注目の企業事例13選 企業のデジタル化を推進するモバイルアプリ』
(無料PDF、全21ページ)
本資料(無料PDF、全21ページ)では、モバイルアプリの活用によりデジタルトランスフォーメーションを実現し、サービスの向上で大きな成果を上げている企業事例(国内が全13社)を分かりやすく紹介しています。
掲載事例企業(全13社):Subaru Canada、Real Madrid、Pearson、McDonald’s、Virgin Atlantic、3M 、Hewlett-Packard、株式会社三井住友銀行、株式会社JR東日本情報システム、Alaska Airline、Skanska USA、NAV Canada、AVIVA