サービスの判断ポイントは「何がしたくて、何を持っているのか」
―――さて、ここまでデータセンター業界の仕組みやサービス内容について伺ってきました。ところで、自分に適したサービスを判断するための基準のようなものはありますか?
何がしたくて、今どのようなリソースをもっているか、という点が肝要だと思います。
例えば、「技術者がいるので何でもできます、今まで自社に設置していたサーバもあります」という状況であれば、あとはラックと回線があれば良いのかな、と判断できます。すると、データセンターで単純にファシリティとコネクティビティだけ利用すれば良いことになりますね。
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また、「Webサイト作りたい、ただ社内にはデザイナーもサーバ管理者もいない」ということであれば、データセンターに直接頼むよりは、サーバ管理まで含めて全部面倒を見てくれるWeb制作会社のようなところに相談する方が良いかもしれません。
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ただし、リソースを持っていなかった場合、「そのリソースは持った方が良いのか」については別途判断をする必要があると思います。また、リソースを持っていたとしても、「そのリソースをそこに使った方がいいのか」という点は考えるべきですね。これは、先ほどもお話したコストカット、アウトソーシングといったテーマに関わってくることです。
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データセンターの利用に際しては、上記のような点についてについて整理しておくと良いでしょう。もちろん、ご自身でそこまで整理できないケースも多いでしょう。その場合は、相談に乗ってくれる事業者とコミュニケーションをとりながら、本当は何をやりたいのか、本当に自社でやるべきところ、持つべきところ、そうでないところを切り分けていくとよいと思います。