データセンターの3つのサービス
データセンターのサービスは、大きく分けると下のレイヤーから「ハウジング(コロケーション)」「ホスティング(レンタルサーバ)」「マネージド」の3つになると思います。
レイヤーについての解説は、前回の記事をご覧下さい
ハウジング(コロケーション)サービス
ハウジングの概要
ハウジングは、サーバなどの機器を設置するためのスペースと、電源やインターネット回線を提供するサービスです。データセンター事業者が、「ファシリティ・コネクティビティ」レイヤーまではお膳立てするわけですね。そこから上のレイヤー、つまり利用する機器類などは全て利用者側が用意する必要があります。すでに自社でサーバなどを設置している場合は、それを持ち込むことができます。導入作業、メンテナンス、障害対応などの各種作業は、自社の人間がデータセンターに入局して直接行ないます。
自社のサーバルームが丸ごとデータセンターの建物内に移動したイメージです。自由度は高いのですが、専門的な知識を持った技術者がいないと利用することは難しいでしょう。また、運用保守の負担が大きいという面もあります。ITのプロフェッショナル向けのサービスといえます。
ハウジングの3つのスタイル
ところで、ハウジングはスペースの貸し出し方によって3つのサービスに分類できます。データセンターのフロアを丸ごと貸し出す「フロア貸し」、フロア内の区画単位で貸し出す「スペース貸し(オープンコロケーション)」、ラック単位で貸し出す「ラック貸し」の3つですね。
「フロア貸し」「スペース貸し」を利用した場合、ラックは提供されません。スペースだけを提供して、そこにラックを自分で設置してくださいね、というサービスです。他の利用者がスペース内に入れないようにケージで囲む場合もあって、これは「ケージ付き」などと呼ばれます。
これらは、本当のファシリティ貸しといわれるものです。ただし、これらは我々のようなデータセンター業者や、インターネットサービス業者を対象としたサービスである場合が多いですね。
上記画像は、さくらインターネット株式会社のホワイトペーパー「ハウジングとホスティングの融合 データセンターへのアウトソースとは」より抜粋。
一方、「ラック貸し」は一般ユーザ向けのサービスです。すでにラックが設置してあるので、ユーザは機器を持ち込むだけで利用できます。こちらが一般的に言うところのハウジングサービスになりますね。
ブレードサーバなどを利用する場合、専用ラックが必要になる可能性があります。実際にエンドユーザの間でも、「ラックを持ち込みしたい」というニーズが最近増えています。一般的なラックでよいのか、専用ラックが必要なのかといったところも、データセンター選択の基準に入ってくると思います。