
成熟期を終えようとしていたERP市場ですが、クラウド技術の進展とともに再び活気づいています。中小企業にもERP導入の裾野が広がる中で、はじめてのERPをどのような基準で選定すればいいのでしょうか。本連載は、困難なERPの選定作業の中で軽視しがちな購入前の試用にフォーカスし、ERPの選定、ひいてはERP導入の成功を手助けする事を目的としています。今回は、クラウドERPの導入形式と、クラウド化に伴って整備された試用環境について記述しています。
ERP市場の現況
ERPベンダーの先駆けであるSAP社が日本に支社を設立してから、来年(2017年)で25年が経ち、この間、ERPという単語もビジネスの現場位においては一般化したといえるのではないでしょうか。
矢野経済研究所の調査では、ERP市場は年8%程度の成長をしており、今後の見通しも堅調です。
図1:ERPパッケージライセンス市場の市場規模推移と予測 出所:矢野経済研究所
また、レポートには次のように書かれています。
不安定な外部環境に的確に対応できる経営のプラットフォームを構築したいという戦略的な理由でERPを再構築するユーザー企業も増えている。それに伴い、導入スピードが短く柔軟性の高いクラウドサービスの利用も拡大しており、クラウド化はERPのトレンドの一つとなっていると考える。
私は営業担当者であり、提案先がERP導入を検討する上で、何らかの形でクラウド利用を想定する事はここ1、2年で一気に増えているという印象です。しかしながら、選択肢が多くなったことは良いことですが、初めてERP導入を検討する企業には、選定を難しくする原因ともなっているのではないでしょうか。
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- この記事の著者
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笹山 秀樹(ササヤマ ヒデキ)
ビーブレイクシステムズ 営業部 リーダー。中小企業診断士。大学卒業後、2005年にビーブレイクシステムズに入社。営業部に配属され、受託システム開発案件の営業に従事する。その後、同社の発売したERPパッケージ「MA-EYES」の担当となり、日々、コンサルティング営業として日本全国を飛び回っている。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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