EMCジャパンにはコンバージドプラットフォーム&ソリューション事業部(CPSD)がある。サーバでもストレージでもなく、コンバージド製品を専門に扱うための部隊だ。あらためてDell EMCが提供するコンバージド製品の最新状況について解説する。
そもそも、コンバージドとは?
近年よく耳にする「コンバージド」。英語で「converged」とは「(さまざまな方向から一点に)集めた、まとめた」という意味がある。
車でたとえるなら、自作で組み立てた車とメーカーから購入した車であれば後者のほうがコンバージドの度合いが高くなる。EMCジャパン Jinsheng Chen氏は「今どき自動車を自作する人は滅多にいないと思いますが」と断りを入れつつ、両者を比較した。自作した車であれば最大限の柔軟性と自由度があるものの、多くの専門知識が必要であるだけではなく、作業は繁雑で長時間を要する。それでも自作するのであれば「組み立てること自体を楽しむのが目的となるでしょう」とChen氏は言う。

一方コンバージドの度合いが高いメーカー車だと、安心、安全、保証つき。納車されたらすぐに使える。多くは「作る」のではなく、移動するために利用するのが目的となる。車であれば「当然」の感覚だ。
しかしサーバやITインフラの世界は「自作」が多い。近年になりようやく「コンバージド」や「エンジニアド」など、ある程度完成した製品が出回るようになってきている。製品によりカバー範囲は異なるがラック、電源、ストレージ、サーバ、ネットワーク、仮想化などがあらかじめ設定ずみで出荷されている。
カバー範囲が広くなるほど「コンバージド」の度合いは高まる。コンバージド製品のメリットはいくつかある。まず自作に比べてパッチ適用時に互換性で生じるリスクが低減できる。最適な形で設計してあるため、性能や可用性は最大限生かせる。完成品として出荷されているため、パーツの保守も一元的にサポートしてもらえるといったメリットが生じるなどだ。
そしていま「コンバージド」は「ハイパーコンバージド」へと進化している。「ハイパー」とつくように、より「コンバージド」が進んだものとなる。一般的にコンバージド製品はインフラのパッケージ製品という意味合いとなる。コンポーネントレベルで見れば今までのインフラとあまり変わらないものの、メーカーの工夫により、ユーザーから見ると1つのもののように導入、運用、保守が可能となっている。
ハイパーコンバージド製品だと一般的にパッケージ製品やアプライアインス製品という扱いになる。メーカーにより多少異なるが、SANストレージの有無がコンバージドとハイパーコンバージドの差とになる。コンバージドならSANストレージ、ハイパーコンバージドならSDS(ソフトウェア定義ストレージ)を利用したものということだ。このSDSによりサーバとストレージが一体となり「ハイパーコンバージド」になるという。
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加山 恵美(カヤマ エミ)
EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:https://emiekayama.net
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