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「ナウ」であり「フューチャー」である

 テクノロジーやビジネスシステムのリサーチ会社「Wikibon」のレポート「Server SAN 2012-2026」(※2)では「2026年になると本番環境の9割を占めるようになる」と予測されている。これを挙げてChen氏は「SDSは『ナウ』であり『フューチャー』である」と述べる。

 ※2 https://wikibon.com/server-san-2012-2026/

 Dell EMCのHCIの特徴としてChen氏は次のような点を挙げる。

拡張(スケールアウト)が簡単

ノードを追加するだけで自動的にリソースプールを拡張できてスモールスタートが可能

省スペース、省エネ

高密度・高性能のPowerEdgeサーバを採用しているため、FCスイッチやSANストレージが不要

導入・運用がシンプル

コモディティサーバで導入も運用も簡単。専用HCIツールで運用がシンプル

安心のDell EMCサポート

24時間、365日サポート

充実の連携製品ラインナップ

クラウド製品やバックアップ製品と連携するなど、検証済みのソリューションが充実している

 実際の製品としては、中小規模向けに「VxRail」や「XC Series」のアプライアンス製品、大規模向けにはネットワークスイッチまで統合した「VxRack」のラックスケールソリューションがある。

 VxRailの特徴としてChen氏はDell EMCがプロジェクト総指揮、VMwareがシステム全体設計をしたため、Dell Technologiesというグループ企業が作りあげた「真のハイパーコンバージド」だと述べる。またラインナップも豊富だ。高密度コンピュートモデルで且つ汎用(はんよう)のGシリーズ、エントリー構成からカバーできる、Eシリーズ、GPU搭載モデルのVシリーズ、性能重視モデルのPシリーズ、高密度ストレージモデルのSシリーズなどがある。

 VxRailの特徴は、アーキテクチャの違いにもある。vSAN以外のHCIだとSDSを実装するために専用仮想マシンを必要とするが、vSANだとvSphereのカーネルに組み込まれているので専用仮想マシンを必要としない。vSphere以外のハイパーバイザに非対応となるものの、vSANだとメンテナンスが容易になり、vCenterから一元管理が可能となる。きめ細やかなポリシー管理やストレージQoSが可能となるというメリットもある。

 VxRailに含まれるツールやソフトウェアも挙げておこう。コアコンポーネントに「vSAN Enterprise」、「vCenter Server」、「vRealize Log Insight」、「vSphere(ライセンスは付属せず)」、データ保護ツールに「RecoverPoint for VMs」、「CloudArray」、「vSphere Replication」、「vSphere Data Protection」、全体管理に「VxRail Manager」、サポートツールに「Secure Remote Support」がある。さらに災害対策や任意のポイントインタイムリカバリとなるデータ保護機能などがオプションで追加できる。

 最後にChen氏は既存ユーザーからのよくある質問を紹介した。まず「大容量のファイルサーバーはVxRailに移行すべきか?」。これは「ノー」。実はHCIは大容量ファイルサーバーには向いていない。同社の「Unity(File)」や「Isilon」が向いているという。

 次に「HCI導入だけではなく、自動化やセルフサービスも実装したい」という質問に対しては「vRealize SuiteあるいはEHC for VxRailソリューションをご導入いただければ簡単にプライベートクラウドを実現できます」とのこと。もう1つ「ネットワークをソフトウェア定義するには?」という質問に対しては「VxRailはNSXレディです。NSXを導入すれば(サーバとストレージに加えて))ネットワークもソフトウェア定義にできます」とChen氏は説明する。

 Chen氏はこう力説する。「SDSは2~3年前だとサーバ仮想化の黎明期同様に『こんな技術は使えるのか?実用に耐えられるのか?』と懸念されていました。しかし今では大きく進化し、実業務に耐えられるレベルへと成熟しました。もう安心してご導入いただけます」

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この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:https://emiekayama.net

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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