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週刊DBオンライン 谷川耕一

フラッシュストレージ市場で勝つのは誰だ!


 2013年は4ゼッタバイトほどだったデータは、2020年に10倍の44ゼッタバイトほどまで増えるとの予測がある。その際、多くのデータはクラウドにあると思われるかもしれない。しかし実際はそんなことはなく、多くのデータがオンプレミスに留まると予測するのが、フラッシュストレージの独立ベンダー ピュア・ストレージのCEO スコット・ディーツェン氏だ。

ビッグデータの成長はクラウド成長をはるかに凌いでいる

ディーツェン氏
ディーツェン氏

 ビッグデータの成長速度は、クラウド成長速度を大きく凌いでおり「パブリッククラウドのデータ容量では、ビッグデータの成長を支えられません。インターネットの成長が、データ量の増加には追いついていないのです」とディーツェン氏は指摘する。

 現状で、同社のフラッシュストレージとシスコのUCSサーバーを組み合わせたコンバージドインフラのシステムを、Amazon Web ServicesのAmazon EC2とAmazon EBSを組み合わせたシステムと比較すると、オンプレミスのほうが月額費用が半分程度になるとの試算も示した。つまり、コスト的にもオンプレミスのほうがまだまだ有利な点があるとディーツェン氏は主張するのだ。

 そんな主張を展開しているピュア・ストレージは、自社のフラッシュストレージ製品をクラウド時代に最適化したものだと言う。クラウド時代に求められるパフォーマンス、拡張性を持ち、管理手間を削減する自動化も実現しているから。さらには多くのクラウドサービスと同様な、サブスクライブ型の価格モデルを提供しているのもクラウドに適しているとる理由だと主張する。結果として、Salesforce.comやWorkdayなど200社以上のSaaSベンダーや100社以上のIaaSベンダーが、ピュア・ストレージの製品を採用するに至っている。

 そんなピュア・ストレージが、新たに「FlashArray //X」シリーズの提供を発表した。性能が売りのフラッシュストレージだが、従来同社の製品は超高速性能を求めるよりはコストパフォーマンスがいいことのほうが売りだった。なので、比較的安価なSSDを最大限に活用し、独自ソフトウェアと組み合わせてコスト効率の高いでフラッシュストレージでビジネスを伸ばしてきたイメージがある。

 ところが今回の//Xシリーズは、高速にストレージを接続する規格であるNVMeに完全対応し、SSDより高速なNANDフラッシュを独自開発して採用して、より高速なエンタープライズクラスのフラッシュアレイ製品として位置づけている。通常の汎用的なファームウェアのSSDのコントローラーを使うのではなく、IO制御はすべて独自開発の「Purity DirectFlash」というソフトウェアで直接コントロールする仕組みとなっている。ソフトウェアでコントロールすることで、SSDには普通に存在する長時間利用した際に書き込み不能になった領域の代替えとなる余剰領域も必要ない。つまり物理容量を最大限に活用できるのだ。

 もう1つユニークなのは、 フラッシュディスクのフォームファクターが従来の//Mシリーズなどと同じものになっていることだ。これにより従来の//Mシリーズを利用している顧客も、サービスを止めずに//Xにバージョンアップできるのだ。

 比較的安価で大容量を確保できるこれまでのピュア・ストレージの製品では、ビッグデータなら溜め込んでから活用するような用途、データベースならハードディスクから乗り換えて容易に処理を高速化する用途などで評価を得てきた。新たな//Xシリーズは、高速性を活かしビッグデータ活用のリアルタイム要求に応えるためのものだという。

次のページ
早くも淘汰が始まっているフラッシュストレージ市場で勝つための条件

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谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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