
今回は斯波さんとは別のアプローチでMySQL性能向上に取り組んだ木下さんに加わっていただいた。木下さんはMySQLのストレージエンジンとなるInnoDBの改良に取り組んできた人だ(参考記事)。InnoDBやPerconaの深い話が続く。
XtraDB、TokuDB、Myrocks、広大なMySQLエンジンの世界

小幡:木下さん、いま何しているの?
木下:大学の先輩がAI関連の会社を立ち上げたので、今はそこに参加してます。サイジニアという会社です。
小幡:オラクルの前はPerconaにいたでしょ。その経緯を教えてくれる?
木下:10年ほど前にInnoDBのスケーラビリティについてブログで書いていたら、「君はコントラクトなジョブに興味があるか」とメールが来たんです。パートタイムかなと思いきや、フルタイムだと。それがPerconaでした。
小幡:Perconaって何をしているところなの?
木下:もともとはテクニカルコンサル。顧客に共通しているところは開発もします。
小幡:PerconaのXtraDBはどんなきっかけで生まれたの?
木下:MySQL 5.1でInnoDBがビルトインとプラグインに分岐して、自由にできるようになったのでXtraDBが生まれました。
小幡:InnoDBってオラクルに買収される必要があったのかな。
木下:オラクルに買収されてもされなくても変わらなかったと思いますね。
小幡:ところでPerconaの若い社長、すごく若く見えた。
木下:確かロシア人でグリーンカード(アメリカの永住権)持っているはず。
斯波:もとはMySQLのパフォーマンスエンジニアだったような。
木下:そう。チューニングする人。誰からもお金を借りずに2人でPerconaを起業したんですよ。
小幡:すごいな。今はMongoDBも扱っているでしょ。
斯波:PerconaのMongoDBのエンジンは昔TokuDBを使っていました。TokuDBはMySQLとMongoDBで使えるエンジンなんですが、MongoDBで使うと速かったようです。そういうことが言われ始めたあたりで、PerconaがMongoDBを扱い始めたように記憶しています。
小幡:TokuDBってどうやって作っているの?
斯波:そこはよく分かりませんが、いまはPerconaに合流しています。
小幡:TokuDBって本来は何を目的としていたの?
斯波:インサートの高速化と圧縮です。
小幡:それだけ?開発は何人で?
斯波:そんなに大きくなかったはずです。10人くらいかな?
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- この記事の著者
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加山 恵美(カヤマ エミ)
EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:https://emiekayama.net
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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