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VMwareとの比較で学ぶHyper-V

VMwareとの比較で学ぶ、Microsoftのサーバー仮想化技術: Hyper-V(第1回)

 Microsoftのサーバー仮想化ソリューション「Hyper-V」の持つ機能を、VMware社のサーバー仮想化製品との比較を通して解説します。

はじめに

 Microsoftのサーバー仮想化ソリューション「Hyper-V」が登場して半年が経過し、Hyper-Vを導入した事例も見かけるようになってきました。さらに2008年10月には無償のHyper-V Server 2008も提供開始され、サーバー仮想化市場はますます活気付いています。

 そろそろサーバー仮想化に着手したいと考えている方も多いと思われますが、その一方で「Hyper-Vの実用性に問題はないのか?」「他のサーバー仮想化技術と比較してHyper-Vの機能はどうなのか?」「いろいろ仮想化製品が出てきていて、どれを選べばいいのかわからない」といった疑問をもたれる方も多いのではないでしょうか。

 そこで本連載では、IAサーバーにおけるサーバー仮想化ソリューションの代表格である「VMware Infrastructure 3(VI3)」との比較を通して、Microsoft Hyper-VおよびHyper-V Serverの機能を紹介していきます。

 第1回となる本稿では、両社の持つ仮想化製品ラインナップやアーキテクチャーなどの概要紹介が中心となります。第2回と第3回では、機能や費用面での具体的な差異について比較解説する予定です。

 なお本連載は、主に機能面における比較と紹介を目的としています。サーバー仮想化に関する次のような基本情報は取り扱いませんので、あらかじめご了承ください。

  • サーバー仮想化とは?
  • ハイパーバイザーとは何か?
  • サーバー仮想化のメリット/デメリット

 サーバー仮想化に関する基礎知識を身につけたい方は、以下の記事を参照ください。

VMwareとMicrosoftの仮想化製品ラインナップ

 両社の持つサーバー仮想化製品の具体的な機能比較に入る前に、簡単にVMware社とMicrosoft社の持つ主な仮想化製品を把握しておきましょう。

 表1は、仮想化の分野において両社が出荷している主要製品とその概要です。

表1
カテゴリ Microsoft VMware 概要
デスクトップ仮想化 Virtual PC VMware Workstation/VMware Fusion デスクトップPC上でのOS仮想化を実現するソフトウェア。Virtual PCは無償。VMware製品は有償だが、Mac OS上で稼動する VMware Fusionも提供される。
サーバー仮想化(ホスト型) Virtual Server VMware Server サーバーOS上での仮想化を提供するソフトウェア。いずれも無償で、複数ユーザーが同時アクセスすることを前提としている点がデスクトップ仮想化製品と異なる。
サーバー仮想化(ハイパーバイザー型)

Hyper-V
[Windows Server 2008の一機能として提供]

VMware ESX
[VMware Infrastructure 3(VI3, 次期バージョンよりVMware vSphereに名称変更予定)の一コンポーネントとして提供]
現在のサーバー仮想化市場における主力製品。ホストOSを必要としないハイパーバイザー型のため、ホスト型と比べて安定性やパフォーマンスに優位性がある。Hyper-VはWindows Server 2008の標準機能の一つとして提供され、VMware ESXはVMware Infrastructureと呼ばれる仮想化プラットフォームの主要構成製品として提供される。
サーバー仮想化(スタンドアロン・ハイパーバイザー型) Hyper-V Server VMware ESXi ハイパーバイザー型仮想化を実現することに特化した、スタンドアロンのサーバー仮想化製品。いずれも無償で提供されている。
統合管理ツール System Center Virtual Machine Manager(SCVMM) VMware vCenter Server
(旧 VMware VirtualCenter)
複数の仮想化環境を一元管理するための管理ツール。導入しない場合でも基本的な管理は行えるが、複数台の仮想化ホストが存在する場合は事実上必須。

 Hyper-Vが登場するまで、MicrosoftはVMwareの主力製品であるVMware ESX(VI3)に対抗する製品を持っていませんでした。しかし2008年6月のHyper-V、そして同10月のHyper-V Serverの登場により、現在ではサーバー仮想化という分野において両社はほぼ同等のラインナップを揃えていると言えます。

 さらに昨今ではサーバー仮想化という分野にとどまらず、さまざまな "仮想化"を実現する製品・ソリューションが提供されています。

 例えばVMware社では、クライアントの仮想化(仮想デスクトップ)を実現するVMware View、仮想化テクノロジーを災害対策に応用したVMware vCenter Site Recovery Managerなどの製品を提供しています。対するMicrosoftも幅広い分野の仮想化に取り組んでおり、アプリケーションの仮想化を提供するMicrosoft Application Virtualization(App-V)やプレゼンテーションの仮想化を実現するターミナル サービスなどを展開しています。

 現在も両社を含め多くのベンダーが"仮想化"をキーワードとした新製品・新機能の開発に取り組んでおり、ますます仮想化の分野が発展していくことが見込まれます。

対象製品

 幅広い仮想化製品を持つ両社ですが、本連載では主に以下の製品とバージョンを取り扱います。原則として執筆時点での各製品の最新バージョンを対象としていますが、次期バージョン(Hyper-V 2.0 / ESX 4.0 など)についても適時紹介していきます。

表2
カテゴリ Microsoft VMware
サーバー仮想化 Hyper-V 1.0/Windows Server 2008 VMware ESX 3.5/VMware Infrastructure 3(VI3)
サーバー仮想化 Hyper-V Server 2008 VMware ESXi 3.5
統合管理ツール System Center Virtual Machine Manager 2008(SCVMM2008) VMware vCenter Server 2.5

 VMware製品は2008年12月に大幅な名称変更が行われています。本連載では原則として新名称で紹介していきますので、ご注意ください。

 VMwareのWebページ「VMware Product Renaming」にて、新旧製品名称の一覧が掲載されています。

次のページ
[比較1]: 仮想化アーキテクチャー(Hyper-V / VMware ESX)

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この記事の著者

前島 鷹賢(マエジマ タカマサ)

Microsoft MVP for Virtualization - Virtual Machine日本アイ・ビー・エム(株)に勤務。MicrosoftやVMware製品を中心としたx86インフラ環境の設計・構築に従事。特にWindowsサーバー/クライアント環境のシステム管理・監視、セキュリティ、サーバー仮想化などの分野...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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