DBAにはAutonomous Databaseの登場でより高度な仕事が待っている
今回のOracle OpenWorldでは、ここ1、2年のOracleの注力ポイントであるクラウドに関する話が中心ではあった。クラウドで利用するデータベースについては、Oracleの強みはマルチテナント機能がこれまでは中心だったように思う。それが今回は、Autonomousだ。この自律型の機能で、データベースの運用管理を自動化できる点にフォーカスが当てられていた。特にクラウドのマネージドの機能とAutonomousを組み合わせることで、さらに自動化できることになる。
Oracleでは何十年もかかってデータベースを進化させてきたわけだが、その過程でこれまでも自動化できる機能は徐々に増やしてきていた。セキュリティ面もその1つ、エンジニアドシステムにおいてもデータベースの各種自動化機能が多数あると言うのは、Oracle システム・テクノロジー担当SVPのホアン・ロアイザ氏だ。
今回のAutonomous Databaseは、Oracle Databaseにおける自動化の最後のステップだとロアイザ氏。これまでデータベースの各機能に対し個別に自動化を行ってきたが「独立した自動化機能をあちこちに置くのではなく、Oracle Database 18cではデータベース全体を自動化しました」とのこと。
たとえば修正パッチなどを当てるローリングパッチの機能についても、DBAが操作しパッチを当てるのではなく、「パッチ当ての作業をデータベースが全部自動で行い、自動で動くようになります。DBAは全くコントロールする必要はありません」とロアイザ氏は言う。
これにより、DBAが行ってきた運用管理のコストは大きく削減できる。削減できる具体的なコストや手間は、顧客の運用状況により異なる。
「データベースを日常的に走らせる際に必要となるコストのほとんどは人件費です。そこが大きく減ることになります。この日常的なオペレーションの作業は、Autonomous Databaseではほとんどがなくなります」(ロアイザ氏)
新しいAutonomous Databaseを利用してOracle Cloudで提供されるのが、Autonomous Database Cloudのサービスだ。まずはAmazon Web Services(AWS)のAmazon Redshiftに対抗するような情報系のデータ分析用サービスが2017年中に登場する予定だ。Oracle Database 18cを分析に特化した形で自動化、最適化したものをクラウドから提供する。続いて2018年にはOLTPの処理に自動化、最適化されたものも提供する。この他にOracle Database 18cを利用するわけではないが、NoSQLデータベースなども自動化したサービスとしてクラウドから提供することが発表されている。