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(第3回)  戦略投資のファイナンス-NPVの良い点、悪い点

  2013/04/12 08:00

前回は、ビジネスシミュレーションを活用している企業の事例を3つご紹介しました。いずれの事例も、情報の共有を目的としており、戦略投資の意思決定にはコミュニケーションが重要であることを示唆していました。戦略投資に関するコミュニケーションでは、共通言語としてファイナンス(財務)の知識がよく活用されます。今回は、なぜファイナンスの知識が役立つのか、さらに、ファイナンスの知識を活用する際に、特に注意しなければならないポイントをご紹介します。今までの連載はこちら

ファイナンスは、戦略投資の意思決定を支援する強力な武器

 ファイナンスは、企業の資金調達・投資を主に扱う分野です。アカウンティング(会計)と近い分野ですが、アカウンティングが過去のお金の動きを正しく整理・説明することを目的にしているのに対して、ファイナンスは今後何をするのがベストなのか答えを出すことを目的にしている点が、大きな違いです。

 「今後何をするのがベストなのか」というのは少し曖昧な表現ですが、わかりやすい例は株式投資です。たとえば、企業Aの株はこれから買うのが良いのか売るのが良いのか、企業Bと比較するとどちらが良いのか、他に良い株は無いのだろうかなど、株式投資の悩みは尽きません。最近もアベノミクスで株式相場が大きく動いていますから、これからどうするのがベストなのか、多くの人が頭を深く悩ませているのではないかと思います。このような悩みに対して、答えを求めるニーズは大変強く、ファイナンス分野発展の大きな原動力となっています。

図1. Aに投資するのが良いのか、比較をするとどうなのか

 ファイナンスの視点では、図1のような意思決定に対して答えを出すことができます。このような意思決定を支援する目的で発達したのが、「バリュエーション(価値評価)」の手法です。投資対象の価値を説明できるようにし、さらに複数の案件を比較できるようにすれば、意思決定の強力な材料となります。

図2. ファイナンスの知識を活用すると、まずは答えが得られる

 バリュエーションでは、図2のように、数字で価値をハッキリと示します。株価が高いとか安いというような言葉ではなく、バリュエーションが相対比較可能な数字を示すことは、投資の意思決定にとても便利です。このような便利さから、投資の意思決定ではバリュエーションを行うことが不可欠になっています。

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著者プロフィール

  • 小川 康(オガワ ヤスシ)

    インテグラート株式会社代表取締役社長 東京海上火災保険に勤務後、ペンシルバニア大学ウォートンスクールのイアン・マクミラン教授の研究センターに2年間勤務し、不確実な時代のビジネスプランニングを学ぶ。ブーズ・アンド・カンパニーを経て現職。インテグラートは、研究開発投資や新規事業投資、M&A等の...

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