EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

テーマ別に探す

(第17回)  ビジネスモデルに必要な会計思考

  2014/06/30 08:00

戦略ドメインを考慮したマーケティング戦略

 戦略ドメインを考慮して、マーケティング戦略を考えます(図4)。

戦略ドメインとマーケティング  
  図4:戦略ドメインとマーケティング

 店舗では、価格(Price)を低めに抑えながら、生鮮3品(Product)を中心に、150㎡程度の店舗(Place)で、セルフ販売(Promotion)します。生鮮品の仕入先の開拓(Place)がポイントです。このようにマーケティングの4P(Price、Product、Promotion、Place)を使った価値提案(VP)を設計します。ここまでは、ビジネスモデルキャンバスのCS、CR、CHとつながっています。仕入先は、重要なKP(キーパートナー)です。

 次に、組織化、実際の活動をイメージします。どのようなインフラを活用し、どのような組織で、どのような活動を行うかということです。

 店舗規模や店舗設計、物流網などの事業のインフラを整備する必要があります。さらに、店舗要員をイメージし、その能力、必要人数などを考えます。戦略フローでは、組織化に相当します。ビジネスモデルキャンバスでは、KR、KAとつながっています。

 戦略フローによる計画は、計数計画としてまとめる必要があります。

 すなわち、損益予想だけではなく、事業の採算判断、必要な資金額などを予想することで、ビジネスモデルの実現可能性を検証(チェック)することができます。これらの項目は、キャッシュフローと貸借対照表の考え方を使わないと計画できません。第2回「3つの決算書の関係を理解できないと計数計画は立てられない」でこの点を説明しています。必要資金については、第5回でも説明しています。

 ビジネスモデルキャンバスでは、コスト構造(C$)、収益の流れ(R$)というブロックにつながっています。しかし、損益計算が中心にあり、資金、資産に関連するキャッシュフロー、貸借対照表に関しては、ブロックの中に混在して、明確になっていないのです。


著者プロフィール

  • 千賀 秀信(センガ ヒデノブ)

    公認会計士、税理士専門の情報処理サービス業・株式会社TKC(東証1部)で、財務会計、経営管理などのシステム開発、営業、広報、教育などを担当。18年間勤務後、1997年にマネジメント能力開発研究所を設立し、企業経営と計数を結びつけた独自のマネジメント能力開発プログラムを構築。「わかりやすさと具体性」という点で、多くの企業担当者や受講生からよい評価を受けている。研修、コンサルティング、執筆などで活躍中。日本能率協会で「計数分析力入門セミナー」を定期的に開催している。 著書に『新版・経営分析の基本がハッキリわかる本』(ダイヤモンド社)、『会社数字のコツがハッキリわかる本』(ダイヤモンド社)、『計数感覚がハッキリわかる本』(ダイヤモンド社)、『会社数字がわかる計数感覚ドリル』(朝日新聞出版)、『この1冊ですべてわかる管理会計の基本』(日本実業出版社)、『「ベンチャー起業」実戦教本』(プレジデント社:共著)、最新刊に『人気セミナー講師の会計実践講座 ― 経営を数字で考える能力 計数感覚が身につく』(日本能率協会マネジメントセンター)などがある。 マネジメント能力開発研究所のホームページ

バックナンバー

連載:新規事業計画に役立つ「経営分析・管理会計」の考え方・活かし方

もっと読む

All contents copyright © 2007-2021 Shoeisha Co., Ltd. All rights reserved. ver.1.5