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オフィス訪問記⑦:渋谷を一望するSansan新本社、“本質的”行動を促すオフィスづくりとは

 不定期でお届けしている「オフィス訪問記」、今回は2024年9月に渋谷サクラステージへと移転したSansanの新オフィスにお邪魔しました。

 2024年9月30日、Sansanは本社移転を発表。同年7月に全面開業したばかりの「渋谷サクラステージ(Shibuya Sakura Stage)」にオフィスを構えることとなった。

 JR渋谷駅に隣接している渋谷さくらステージは、東急不動産が手掛けた再開発事業として2019年に着工された複合型施設だ。その一角にある「SHIBUYAタワー」にSansanは入居しており、28階のスカイロビー前という好立地に位置している。

 まず、オフィスに足を踏み入れると同時に、目に飛び込んできたのは屋内にいることを忘れるような開放感のある光景だ。

床材は天然素材の建材である「リノリウム」が使用されている。「Nature」というコンセプトを細部にまで体現
床材は天然素材の建材である「リノリウム」が使用されている。「Nature」というコンセプトを細部にまで体現

 新オフィスのコンセプトは「Nature」であり、並べられた観葉植物(≒自然)などから活力を得ることで、より本質的な行動を喚起することを狙っているという。また、この開放感は、机や椅子といったオフィス家具を対角線上に配置するという工夫からもきている。Sansanは、このスペースを「Park(公園)」と名付けており、業務に当たる従業員もいれば、ランチをとったり交流したりと、各人が自由に使える空間を演出しているとのことだ。

鏡で反射させることによって奥行きを生み出す(図上)
鏡で反射させることによって奥行きを生み出す(図上)

 また、オフィス中央には大型のモニタ(幅12m ×高さ約2.4m)が据えられている。脇には演台も置かれており、10月には新入社員を含めた300名超を収容しての内定式も行われたという。

登壇の際には資料を投影することも可能だ。取材時は、自然を感じさせる映像が流れていた
登壇の際には資料を投影することも可能だ。取材時は、自然を感じさせる映像が流れていた
再開発の様子を見てとれる眺望。各所、窓際には机やソファなどが設置されている
再開発の様子を見てとれる眺望。各所、窓際には机やソファなどが設置されている

 このParkエリアを抜けた先には、セミナーなどを開催できる大型の部屋はもちろん、会議室がいくつも設けられていた。それぞれの部屋名は社内公募で名づけられており、「Aurora」「River」「Sora」など、自然と関連するようなネーミングで統一されている。

 さらにユニークなのは、前オフィスから継承した「ヨリアイ」と呼ばれる社内制度だ。所定勤務時間外に限り、同僚と一緒に酒類を含むドリンクと軽食を無料で楽しめるというもの。イノベーションを生み出すためのコミュニケーション促進を図っており、先述したParkエリアが空いていれば、気軽に利用できるという。

冷蔵庫からドリンクを取り出し、共有スペースで楽しめる
冷蔵庫からドリンクを取り出し、共有スペースで楽しめる

 なお、新オフィスには約1,500名が勤務しており、上層階には執務エリア広がっている。毎月30名ほどが入社するなど、2007年の創業から約17年が経過する中でも堅調に成長中だ。同社のミッション「出会いからイノベーションを生み出す」を体現するオフィスとして、ここから「Sansan」「Eight」「Bill One」「Contract One」に次ぐ、新たなサービスが生まれていくことを期待したい。

Sansanの歴史を描いた「Sansan's Story」。毎年、新たなボードが追加されていく
Sansanの歴史を描いた「Sansan's Story」。毎年、新たなボードが追加されていく

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この記事の著者

岡本 拓也(編集部)(オカモト タクヤ)

1993年福岡県生まれ。京都外国語大学イタリア語学科卒業。ニュースサイトの編集、システム開発、ライターなどを経験し、2020年株式会社翔泳社に入社。ITリーダー向け専門メディア『EnterpriseZine』の編集・企画・運営に携わる。2023年4月、EnterpriseZine編集長就任。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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