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「Redshiftの競合ではない」―SAPのあたらしいクラウド、SAP Data Warehouse Cloudが登場

edited by DB Online   2019/05/28 06:00

 SAP HANAを活用するSAPのクラウド戦略は、SAP HANA Cloud Servicesの上にさまざまなサービスを展開するものとなる。ベースとなるSAP HANA Cloud Servicesを動かすためのクラウドインフラは、Amazon Web Services(AWS)でもMicrosoft Azureでも、IBM Cloudでも良い。他にもGoogle Cloud PlatformやAlibaba Cloud、Tencent Cloudにも対応し、もちろんSAP自身でもクラウドサービスを用意している。

新たなクラウドサービスとなるSAP Data Warehouse Cloudを発表

 このSAP HANA Cloud Servicesの第一弾となる「SAP Data Warehouse Cloud」が、先日米国オーランドで開催されたSAPPHIRE NOW 2019で発表された。SAPではこれまでも、SAP HANAを使ったデータベースのクラウドサービスは提供していた。ユーザーは、これを使い独自にデータウェアハウス環境をクラウド上に作ることはできる。対して今回のData Warehouse Cloudは、企業などがこれまでオンプレミスで運用してきたようなデータウェアハウスの環境を、まとめてクラウドで提供するものだ。

 基調講演に登場した、SAPの共同創業者でアドバイザリーボードのチェアマン ハッソ・プラットナー氏は、自ら考案し開発したSAP HANAの高速な処理能力を使い、爆発的に増える膨大なデータを今まで以上に処理していく必要があるという。そのうえで、HANAの処理がなぜ極めて高速かを解説した。1つの理由がメモリ上のカラムストアによる処理だから。カラム型に格納されたデータを直接読むことで、高速に検索などの処理ができる。これは既にデータウェアハウス専用のデータベースエンジンなどで実績ある手法でもある。さらにマルチレベルのパーティショニング処理も、HANAの高速なデータ検索処理には貢献している。

SAPの共同創業者でアドバイザリーボードのチェアマン ハッソ・プラットナー氏
SAPの共同創業者でアドバイザリーボードのチェアマン ハッソ・プラットナー氏

 これらのHANAの特長を最大限に生かしたデータウェアハウスのサービスが、今回発表されたSAP Data Warehouse Cloudだ。Data Warehouse Cloudでは、すべてのデータをHANAにロードする必要はない。「データがあるところにつなげることで利用できます。データを移動させる必要がないので、ユーザーはすぐに使い始めることができるのです」とプラットナー氏。

 SAP Data Warehouse Cloudは、あらゆるデータソースに対しリアルタイムなアクセスが可能だ。それをデータソースにほとんど影響を与えることなく実現する。具体的には手元にないデータに対し、Data VirtualizationとData Replicationの2つの方法でアクセスする。前者は必要に応じ外部のデータソースとつないでデータにアクセスする方法だ。後者は1分に1回など決められたタイミングで、データをソースからコピーしアクセスできるようにする。

 SAP Data Warehouse Cloudの処理性能が足りなければ、リソースを追加するようレコメンデーションの通知もなされる。それに従いリソースを容易に拡張でき、将来的にはリソースの拡張、縮小などは自動で行えるようにする予定だ。SAP HANA and Analytics担当シニアバイスプレジデント ゲリット・カズマイアー氏は「SAP Data Warehouse Cloudは極めて革新的なものです。これはデータマネージメントの世界を変えるでしょう。Data Warehouse Cloudを使えば信頼できるデータにすぐにアクセスでき、それらを使って素早く意志決定ができるようになります」と語る。

SAP HANA and Analytics担当シニアバイスプレジデント ゲリット・カズマイアー氏
SAP HANA and Analytics担当シニアバイスプレジデント ゲリット・カズマイアー氏

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著者プロフィール

  • 谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

    EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーター かつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジ...

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