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BIの新しい流れ モバイルBIとソーシャル・インテリジェンス

  2011/12/07 00:00

スマートフォンやタブレットなどを用いて、企業の情報システムに蓄積されたデータを分析・可視化するソリューションが登場している。注目すべきは、従来のレポーティング機能だけではなく、トランザクション処理が可能なモバイルBIと、Facebookなどの顧客やファンのデータを分析するソーシャルBIという2つのトレンドである。マイクロストラテジーのモバイルBIソリューションは、その両面の可能性を垣間見せてくれる。

 スマートフォンやタブレットなど、いわゆるスマートデバイス用のBIツールが登場してきている。これまでもBIのダッシュボードやグラフを見るツールはあったが、最近は、スマートフォンやタブレットの専用アプリケーションによるトランザクション機能を備え、より使いやすいインタフェースと活用シーンを提供するものが登場してきている。

 このような流れは、今後、企業のスマートデバイスによる情報活用として普及していくと見られる。今回紹介するマイクロストラテジーの製品に、そうした「モバイルBI」と「ソーシャル・インテリジェンス」の今度のトレンドを見ることができる。

可視化だけでなく、業務処理も可能なモバイルBI

 マイクロストラテジーは、以前からiPhone/iPad版のBIツールを、App Storeで提供してきた。最近では、Android版もリリースとサポートを開始している。

 同社の製品の特長は、情報を参照するだけの従来のBIのレポーティング・ツールとしてだけでなく、情報分析から、行動につなぐという機能を強化している点だ。企業内のシステムと連携するアプリケーションにより、購入申請、経費精算、モバイルペイメント、クーポンチケット、位置情報に基づくキャンペーンなど、実際の業務システムに連携した活用ができる。これは、もはやBIツールというだけでなく、CRMなどのマーケティングアプリケーションなどの業務システムのプラットフォームに近いともいえる。

 一般に、業務システムと連携するモバイルアプリケーションを組んだ場合、専用のアプリケーション開発となり、かなりな工数と費用がかかる。このソリューションのメリットは、マイクロストラテジーのBIのエンジンを活用することで、DBへの参照、分析、編集、変更、更新、処理実行の一連のトランザクション処理が可能なアプリケーション開発を、容易におこなうことができることである。

 iOSやAndroidのクライアント側、サーバ側のモジュールは提供されており、ユーザ企業のアプリ開発は最小限の資源と作業工数で可能となる。

高速かつ容易な開発と容易な展開
高速かつ容易な開発と容易な展開

 空のキャンパスからデザインパレット、再利用可能なテンプレート、ポータブルアプリケーションページを使用して、アプリケーションの開発を迅速におこなえる。

企業のFacebook活用を進化させるソーシャルインテリジェンス

 Facebookユーザーは全世界で8億人を超えたといわれる。今や企業もマーケティングやコミュニケーション活動にFacebbok広告やFacebookページをたちあげたりすることが盛んになってきている。

 しかし、現状のFacebookの企業活用には、不十分な点がある。

 Facebookによってリーチできるファンをセグメントし、ターゲットによってパーソナライズされたコンテンツを配信出来れば、企業やブランドはもっと効果的なプロモーションやキャンペーンが展開できるはずだ。

 マイクロストラテジーは「ソーシャルインテリジェンス」という考え方に立ち、専門のBIによる情報分析をソーシャル分野に適用した「alert」というソリューションの展開を始めた。

ソーシャルグラフの属性を分析

 通常のブランドや企業は自社のFacebookページに、ファンを誘導し「いいね!(Like)」を押したすべてのファンのウォールに一般的なニュースフィードを配信する。この関係は、ある意味で放送に似た関係である。これに対して、alertではよりリッチな機能をもつFacebookアプリケーションを配布し、ユーザーにダウンロードさせ使用させることで、マイクロストラテジーのゲートウェイを通して収集した情報をETL処理しデータベースに格納し、そこでBI分析をおこなうことで、パーソナライズされた情報として活用するという仕組みである。

アラートソリューションの全体構成
アラートソリューションの全体構成

BI連携のFacebookアプリを試してみる。

 マイクロストラテジーのalertは、Facebookデータを分析できるようにリレーショナルDB化する「MicroStrategy  Gateway」、ファン分析や属性の傾向を見る「Wisdom」、分析によってパーソナライズされた情報が配信されるFacebookアプリの「alert」によって構成される。

 Wisdomはコメントや投稿のテキストをマイニングに、ソーシャルグラフの分析がおこなわれる。また、alertでは、それぞれにパーソナライズされたニュースの購読やイベント、alertメンバーへの限定コンテンツがプッシュで通知される。

 また今のところ日本語には未対応だが、投稿やコメントの内容もテキストマイニングによって分析に反映されるなど、ファンと企業(ブランド)との間の密な対話が可能になる。また独自のBIのアルゴリズムにより、Wealth (学歴、会社での地位、どこにチェックイン、トラベルなどの情報から)、Influence (友達の数、facebookへの投稿頻度、それに対するコメントなどの数など)などの属性もファンのプロファイルに属性情報として提供されるという。

ブランド好き、ファーストフード愛好者など、Facebookのファンの属性を分析
ブランド好き、ファーストフード愛好者など、Facebookのファンの属性を分析

ソーシャルとBIによる未来の企業コミュニケーション

 マイクロストラテジーは今では、数少ないBI専業ベンダーであるが、昨年から発表しているモバイルBIや今回のFacebookソリューションの流れを見ていると、BIとソーシャルの融合による一歩先の「ソーシャル・インテリジェンス」ともいえる世界を志向していると思われる。

 ソーシャル情報やセンサー情報によって大規模化するビッグデータが、新たなITトレンドになると言われる現在、こうした方向性は企業のIT部門にとっても要注目といえる。

スマートフォン(iOS、Android)用Facebookファン用アプリの提供メニュー
スマートフォン(iOS、Android)用Facebookファン用アプリの提供メニュー

 マイクロストラテジーのこうしたBIアプリは、AppStore、Androidマーケットで無償で入手できる。



著者プロフィール

  • EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)

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