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第2回 Citrix XenDesktopはどのようなコンポーネントで構成されているか

  2008/10/08 11:00

仮想デスクトップ

 仮想インフラストラクチャ上で動作する仮想マシンには、Virtual Desktop Agent(以下、VDA)と呼ばれるエージェントソフトウェアをインストールします。クライアントと仮想マシンの間では、ICA(Independent Client Architecture)というプロトコルが使用されます。

 また、VDAは仮想マシンだけでなく、物理マシン(Blade PC等)などの接続にも対応しています。他にも、XenDesktopにはCitrix Access Gatewayと呼ばれるSSL-VPNクライアント(アプライアンスは別)も付属していますので、SSL-VPNによるセキュアなネットワークも構築可能です。

図6 仮想デスクトップ
図6 仮想デスクトップ

ICAプロトコルの特徴

 ICAプロトコルとは、Citrix社が開発した通信技術です。クライアントとサーバー間で、画面、キーボード、マウスの信号などを効率的に交換するための通信プロトコルであり、どんな状況下においても、データ改ざんや盗聴などからデータを守る高いセキュリティと、極めて高いパフォーマンスを保証します。

ICAプロトコル
図7 ICAプロトコル
  • 使用帯域幅 20~30Kbps/クライアント
  • データの暗号化、圧縮
  • SpeedScreen技術

    マルチメディアアプリケーションや高解像度グラフィックスアプリケーションの表示データの高速表示を可能にする。

  • デバイスの取り扱い

    差分の画面イメージとキーボード、マウス信号の情報交換を行う。また、クライアントに接続している多種多様なデバイスにも仮想デスクトップから接続可能。例えば、クライアントが仮想デスクトップに接続した際に、クライアント側に接続されたプリンタを自動的に認識し、プリントデータをICA経由でプリンタ宛に送信することができる。

ディスク仮想化(プロビジョニング)

 エディションによっては、Provisioning Server for Desktops(以降PVS)と呼ばれる製品が付属しており、OSをネットワークブートすることができるようになっています。PVSを利用すると、仮想インフラストラクチャ上に、仮想マシン用のディスクを持つ必要がなくなります。

 仮想マシンの起動時に、ブートローダーをPVSよりダウンロードし、仮想マシンのメモリ上にロードして、OSのディスクイメージをネットワーク越しに起動します。そのイメージは、vDiskと呼ばれ、他の仮想デスクトップと共有されます。

図8 ディスク仮想化(プロビジョニング)
図8 ディスク仮想化(プロビジョニング)

 例えば、100人(一般ユーザ50人、パワーユーザ50人)のユーザのクライアントマシンを仮想デスクトップに置き換えることを想定してみます。この場合、100人分の仮想マシンが、仮想インフラストラクチャ上で起動することになります。

表3 ユーザ数と所要リソース
表3 ユーザ数と所要リソース

 表3のようなモデルを想定すると、PVSを使用すると下記のようなメリットがあります。

ディスク

 PVSのようなディスク仮想化ソリューションを使わない場合、膨大なディスク容量を用意する必要があります。この例の場合、基本ディスク容量だけで1.2TB必要になります。

 PVSを使用した場合、一般ユーザとパワーユーザのマスターイメージを持っておけば良いので、基本的に必要なディスク容量は24GBとなり、ストレージ容量が削減されます。バックアップや、ディザスタリカバリ等を考慮するとさらにディスク容量が必要になってきます。

メモリ

 ユーザが使用するOS、アプリケーションによってメモリ容量は決まるため、デスクトップ仮想化ソリューションを使っても使わなくても必要容量は変わりません。

 しかし、デスクトップ仮想化ソリューションを使うことで動的にメモリの変更ができます。例えば、部署異動により異なるアプリケーションを使用するようになった場合でも柔軟にメモリを追加・削除できます。

管理性

 PVSを使用しない場合、単純に考えると100人分の仮想マシンを管理する必要があります。しかし、PVSを使用した場合は2つのOSのディスクイメージ(vDisk)だけを管理することになります。例えば、パッチなどは、2つのイメージだけに適用すれば良いことになります。


著者プロフィール

  • 北瀬 公彦(キタセ キミヒコ)

    シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社システムエンジニアリング部所属。 独立系SIerを経て、2000年にシトリックス・システムズ・ジャパンに入社。テクニカルサポート、グローバルエスカレーションでクラッシュダンプの解析やデバッグ作業にいそしんだ後、同R&D部にて、保守開発チーム(開発、テスト)のマネジメント、派生開発プロジェクトプロジェクトや、オフショアテストセンターの立ち上げに従事、現在は、システムエンジニアリング部にてプリセールス、アライアンス支援、新技術の紹介などを行っている。 仮想化技術全般のwikiサイト、http://v12n.jpを運営中。 email: kkitase@gmail.com twitter: http://twitter.com/kkitase blog: http://community.citrix.com/blogs/citrite/kimihikok

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連載:デスクトップを仮想化してみよう
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