金融関連での買い替えや導入がビジネス市場を底支え
家庭市場向けタブレットは、引き続き通信事業者向け出荷を中心とするファーウェイ、LGの出荷が大きく市場を牽引し、回線付きモデルの出荷が前年同期比41.9%増となった。一方、実需の指針となるWi-FiモデルはアップルiPadの出荷が好調に推移し、前年同期比0.1%のマイナス成長とほぼフラットな成長となった。
一方、ビジネス市場向けの出荷は金融向け案件や学校案件などがあった。この中で、金融関連企業でのタブレットの買い替えや導入が、ビジネス市場を底支えした。しかし一般企業では、ポータブルPCとの競合や、外出先でのメールなどのやりとりを携帯電話やスマートフォンで行うことが多いため、タブレットに対する需要は低く、マイナス成長が続いている。
上位5社はアップル、ファーウェイ、LG、富士通、NECレノボグループ
2017年第3四半期国内タブレット市場出荷台数の上位5社は、アップル、ファーウェイ、LG、富士通、NECレノボグループとなった。アップルは、前年同期比7.9%増と通信事業者向けおよびWi-Fiモデルの出荷台数を増加させた。ファーウェイは、前年同期比44.7%増と通信事業者向けの中心に出荷行うと共に、一般量販店向け製品も出荷を伸ばした。同社とアップルの1年前のシェアの差は約18ポイントだったが、2017年第3四半期では約9ポイント差までに縮小し、急速に国内でのシェアを上げている。
今後の見通しに関し、「家庭市場向けタブレットの出荷は、通信事業者のスマートフォンとタブレットのセット販売というビジネスモデルによって市場は支えられており、この状況は今後も継続する可能性が高い。一方、ビジネス市場向けタブレットは、今後、生命保険会社の入れ替えおよび学校向け出荷によって市場は牽引される一方で、タブレットを利用した新たなビジネスモデルの創出が必要である」と、IDC Japan PC,携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストの浅野浩寿氏は述べている。
今回の発表は、IDCが発行した「国内モバイルデバイス市場 2017年第3四半期の分析と2017年~2021年の予測」にその詳細が報告されている。