RPAは、これまで自動化の対象外とされていたホワイトカラーの定型業務を自動化することにより、人の数十倍から数百倍の作業スピードとコスト削減を実現するほか、作業の効率と品質を向上するなど、人間の作業を補完するデジタルレイバー(仮想知的労働者)とも呼ばれ、国内の企業での導入が急速に進んでいる。2020年には、日本企業の7割で導入が進むと見込まれている。
現在、多くの企業で導入が進むClass1と呼ばれるRPAは、ルールエンジンや画面認識技術を活用することで、予め決められた作業ルールに従い、情報の取得(クローリング)から読み取り、入力作業、検証作業といった定型作業を自動化するもので、経費精算や請求書処理といった経理部門の業務から、契約申込書入力や36協定チェック業務など、主にバックオフィスの定型業務で活用されている。
一方、Class2は、従来のRPAの機能にディープラーニングや自然言語処理、テキストマイニングといったAI技術を組み合わせることで、紙や音声などの電子データ化されていない非構造化情報にも対応し、Class1では対応できなかった例外対応を含む、非定型業務の自動化を可能にするという。
例えば、コールセンター業務では、音声認識からの自然言語処理や仕分けアルゴリズム、データマイニングを活用することで回答までのリードタイムの短縮と回答精度の向上(FAQからの推論、リコメンド提供)を実現し、顧客満足度の向上が期待されるほか、シェアードサービス業務では、自然言語処理に加え過去データ分析やOCR技術(請求書など紙資料のデジタル化)を活用することで、人員・コスト削減のほか新たな知見の創出が期待できるとしている。
Class2のRPAは、このほかにも、これまで企業内に埋もれていた膨大な非構造化データの可視化、ビッグデータから従来は見出せなかった新たな知見の創出、また企業内外のデータを様々な角度から可視化し、重要な意思決定に活用するなどの効果が期待できるという。これまでの業務毎の効率化だけでなく、Class2のRPAは業務変革や新サービスの創出までを見越した経営戦略の策定を可能にするという。
また、KPMGはグローバルネットワークと豊富なクロスボーダープロジェクトの経験を活用し、RPA×AI診断(現状分析・RPA×AI化領域特定の支援)、将来像の定義支援、ソリューション選定支援、RPA×AIの導入支援、業務改革支援等、グローバル先端事例の知見を活かしたアドバイザリーサービスを提供する。これらのRPA×AI化に向けた方法論はKPMG標準の導入アプローチとして定義されている。
KPMGコンサルティングは、国内でいち早くRPA導入支援サービスの提供を開始し、Class1のRPAにおいて国内における圧倒的な導入実績を有し、導入から運用ポリシー構築までの支援サービスを提供してきた。これまでのClass1のRPAに加え、Class2 RPAの導入支援サービスを提供することで、生産性の向上や働き方改革を目指す企業や組織の業務改革の支援をさらに強化していくとしている。