アイ・ティ・アール(ITR)は、国内のSIEM(Security Information and Event Management)運用分析サービス市場規模推移および予測を発表した。
SIEM運用分析サービス市場の2019年度の売上金額は60億円、前年度比14.5%増となった。SIEMを導入した多くの企業では、複数機器のログの収集にとどまっており、ログの量が膨大すぎて最適な運用が行えていないとしている。特に、相関分析を行える高度なスキルをもっている要員がいないなどの理由からSIEMを使いこなせていないのが実情だという。
そこで、SIEMの提供ベンダーが、SIEMの設計・構築、販売だけでなく、リアルタイムにログの相関分析や集中管理を行い、セキュリティインシデントを早期に発見し、迅速な対策につなげる運用分析サービスを合わせて提供することが一般化してきている。SIEM運用の煩雑さもあり、同サービスの導入企業は増加しており、2020年度のSIEM運用分析サービス市場は13.2%増を予測している。
ITRのコンサルティングフェローである藤俊満氏は、「標的型攻撃のような複数のステップを介して目的に到達しようとする攻撃を検知するにはSIEMの分析機能が有効です。しかし対象とするログを特定して相関分析をSIEMで行うには専門の知見が必要となることから、専門ベンダーのサービスを利用するほうが効率的であるといえます。標的型攻撃のような複雑な攻撃は増加傾向にあり、それにともない、ベンダーによるSIEM運用分析サービスも増加していくでしょう」とコメントしている。
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