米現地時間4月12日、NVIDIAは、Armベースのプロセッサとなる、初のデータセンターCPUを発表した。
NVIDIA「Grace」CPUは、自然言語処理、レコメンダーシステム、AIスーパーコンピューティングなど、超高速のコンピューティングパフォーマンスと大容量メモリの両方を必要とするデータセットの分析を行う、コンピューティング要件に対応するように設計されている。同CPUは、エネルギー効率の高いArm CPUコアと低消費電力のメモリサブシステムを組み合わせることで、エネルギー効率に優れた高いパフォーマンスを実現しているという。
また本プロセッサは、米国のコンピュータープログラミングの先駆者であるグレースホッパーにちなんで名づけられており、既にスイス国立スーパーコンピューティングセンター(CSCS)と米国エネルギー省のロスアラモス国立研究所は、国の科学研究活動を支援するためにGraceを搭載したスーパーコンピューターを構築する計画を発表している。
飛躍的なパフォーマンスの提供
Graceベースのシステムは、x86 CPUで実行される今日の最先端のNVIDIA DGXベースのシステムよりも10倍速く1兆パラメーターのNLPモデルをトレーニングできるというこのパフォーマンスの根底にあるのは、第4世代のNVIDIA NVLink相互接続テクノロジーであり、NVIDIA Grace CPUとNVIDIA GPUの間で900GB/sの接続を提供するなど、主要サーバーと比較して30倍高い総帯域幅を実現しているという。
さらにGraceは、LPDDR5x メモリサブシステムを採用し、DDR4メモリと比較して2倍の帯域幅と10倍優れたエネルギー効率を実現。加えて、新しいアーキテクチャは、単一のメモリアドレス空間で統合されたキャッシュコヒーレンスを提供し、プログラマビリティを簡素化するためにシステムとHBM GPUメモリを組み合わせている。
NVIDIA Grace CPUは、2023年初頭に発売予定だという。
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