電通デジタルは、組織診断を起点にUX(ユーザー体験)の内外製の方針策定から、人材育成のための教育プログラムまで一貫して支援を行う「UX組織開発プログラム」を、1月25日から提供開始すると発表した。
同社では2021年4月より、DX推進に必要な人材開発を支援するための「DXHRルーム」を新設し、その活動の一つとしてUXに関する教育プログラムの開発を行ってきたという。同ルームのノウハウや知見を型化した同プログラムでは、まず個人およびチーム全体としてのUXケイパビリティを診断。その結果に合わせた最適な内外製の方針を立て、研修やOJTまで一気通貫で企画・提案するとしている。
電通デジタルは同プログラムの提供を通して、企業における組織内のUX能力の可視化と向上スピードの加速を目指すという。
「UX組織開発プログラム」の実施ステップ
STEP1:組織診断(事前)
まず、現状の個人がもつUXケイパビリティを本人および第三者より診断し、個人レベルでの強み・弱みを把握する。診断項目はベストプラクティスなどをベースに独自開発し、6つの大項目(A.リサーチ遂行力/B.課題設定・導出力/C.理想体験の構想力/D.要件・要求定義力/E.デザイン具現化力/F.プロジェクト推進力)のもと、12の中項目、50超の小項目から構成されるという。その後、個人のケイパビリティをチーム単位で重ね合わせていき、組織としての強み・弱みを特定するとしている。
STEP2:方針策定
課題分析をもとに、組織として内製すべき部分と外注すべき部分を切り分ける。前者については育成・採用する人材の要件や方法を、後者についてはアウトソース先を洗い出した上で、提携に向けた方針を立案するという。
STEP3:教育プログラム
育成する人材要件をもとに、各社に最適化された研修を提供する。
- UXの概論(DXにおけるUXの重要性、UXの定義)
- UXリサーチ(インタビュー、エスノグラフィ、行動観察)
- UXデザイン(ペルソナ、カスタマージャーニーマップ、サービスブループリント)
- UIデザイン(情報アーキテクチャ、プロトタイピング、オブジェクト指向UI)
STEP4:組織診断(事後)
再度診断を実施し、教育プログラムの効果を測定する。その結果を受けて、次期に向けた内外製の方針や、育成・採用の方針、教育プログラムの方針をアップデートし、UXケイパビリティを継続的に向上させていくという。
【関連記事】
・電通デジタル、LINEや日本マイクロソフトらが発足させた小売業界のDX支援プロジェクトに参画
・電通デジタル、電通アイソバーとの合併で総合的なDXソリューション提供へ
・ビービット、「UXインテリジェンス協会」設立でUXインテリジェンス普及を目指す