ラクス、ビズリーチ、弁護士ドットコムの3社は1月27日、ペーパーレス化を通じて生産性向上と柔軟な働き方の実現を目指す「紙に縛られない働き方プロジェクト」を共同で発足した。3社は、紙書類のタスク処理に月10時間以上要するビジネスパーソンの割合を、現状の32%から20%以下の状態を目指すと宣言。あわせて、ビジネスパーソン1,000人を対象に実施した紙書類と働き方に関するアンケート調査の結果を発表した。
業務のデジタル化が順調に進んでいる企業はまだ少数だという。3社が実施した調査によると、テレワークを実施しているビジネスパーソンの84.5%が、紙書類を理由に出社や外出を余儀なくされた経験があることがわかった。そういった課題を解決すべく、ラクスが発起人となり、ビズリーチ、弁護士ドットコムとともに同プロジェクトを立ち上げたという。
3社は今後、紙書類を扱うことが多い経費精算、採用管理、評価管理業務におけるシステム導入率をそれぞれ10%以上上げるほか、電子契約の利用率を20%以上にすることを目指すとしている。
なお、同プロジェクトにはジェーシービーやサイボウズなど32社が賛同しているという。
ビジネスパーソン1,000人に聞いた 紙書類と働き方に関するアンケート調査結果
調査概要
- 調査対象:全国のビジネスパーソン
- 調査期間:2021年9月22日~9月24日
- 調査手法:インターネットリサーチ
- 有効回答数:1,000件(営業・営業企画300人、総務・人事・経理 各200人、その他部署100人)
紙書類に関するタスク処理「月10時間以上」3割超
ビジネスパーソンが紙書類のタスク処理に要する1ヵ月あたりの時間は、「10時間以上」が最も多く32.0%を占める結果だったという。「10時間以上」と回答した割合を職種別に比較すると、営業・営業企画部門では24.0%に対し、人事、総務、経理といったバックオフィス部門では37.7%、経理のみでは49.5%と、職種により差があるとしている。
紙書類が理由で出社「経験あり」8割超
テレワークの実施状況について「100%テレワークで勤務している」または「100%ではないがテレワークを実施している」と回答したのは413人。一方、コロナ禍で紙書類が理由で出社や外出をした経験があるかを聞いたところ、「ときどきある」が44.3%、「稀にある」が20.6%、「頻繁にある」が19.6%で、計84.5%が経験があることがわかったという。
テレワークに移行できた理由「ペーパーレス化」が上位
また、テレワークが実施できる環境に移行できた理由として、社内外の紙書類のペーパーレス化が上位に入っている。
業務のデジタル化「進んでいないと思う」約7割
所属する部署において紙書類の電子化やハンコの廃止などの「業務のデジタル化」が進んでいるかという質問に対して「全く進んでいないと思う」が28.8%、「どちらかというと進んでいないと思う」が40.3%で、計69.1%が「進んでいないと思う」と回答。また、「進んでいないと思う」と回答した割合を従業員数別で見ると、100~299人規模では72.1%に対し、1,000~1,999人規模では52.6%と、企業規模により業務のデジタル化の推進状況に大きく差があるとしている。
業務デジタル化のハードル「紙書類・ハンコ」が最上位
業務のデジタル化を進めるうえでのハードルとなりそうなもの、あるいはなったものとして「紙書類・ハンコの商習慣が根深い」が34.4%で最上位だったという。
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