IPAは、昨年11月に公開した「DX実践手引書 ITシステム構築編」の改訂を発表した。
今回の改訂では、各社がDXで目指す変革規模や現時点の成熟度の指標を定義。変革規模は、社内を中心とした変革を目指す(3段階)と、市場や社会の変革を目指す(4段階)を合わせた7段階に設定している。組織成熟度については、DXを実現していく上で必要と考えられる個別要素を集約し、その達成度を組織成熟度と設定。その上で、各組織の成熟度指標を高めていく際に有効となる施策も提示する。
また、DX実現のために組織内で独自に構成するITシステムについて、設計・実装にあたり必要となるセキュリティの考え方を説明。独自アプリケーションのクラウド上での構築や、外部サービスとの連携、API連携、活用するデータの重要性などDXに必要となるセキュリティの考え方を以下の4点にまとめて紹介している。
- 対策は多層的に行うことを認識し、責任分担を明確化する
-
守るべき資産(データとシステム)を明確化し、資産の重要度に基づいたセキュリティ対策、
データ共有を実施する - 開発においては設計時からセキュリティ機能の作りこみを行い、開発環境もセキュアに保つ
- データはセキュリティに加え、プライバシー・コンプライアンスルールに基づいた管理を行う
さらに外部サービスの活用方針を決定するための事業・技術の競争性の考え方など、企業が外部サービス活用の検討を進める際のヒントも掲載。
このほか、DX実現のためのあるべきITシステム「スサノオ・フレームワーク」とクラウド、IoT、APIといった技術要素との関連も追加している。
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