デジタル庁は4月26日、同日付で石倉洋子氏がデジタル監を退任し、浅沼尚氏が就任したと発表した。
浅沼氏は2001年に東芝に入社、東芝アメリカ情報システム社のデザインディレクターなどを務めた。デジタル庁が設立した2021年9月からは同庁のCDOを歴任。これまで同庁の立ち上げや、ワクチン接種アプリやマイナポータルなど、行政のデジタルサービスの開発をCXOの一人としてリードしてきたという。
浅沼氏は就任会見で「私の使命は生活者視点のサービスを作り、それを届けるチームを作ること」だとコメント。当面は次の2つに注力するという。一つは、サービスを生活者視点でデザインする考え方を同庁内に浸透・定着させることで、生活者にとって分かりやすい行政サービスを届けること。もう一つは、デジタルインフラを今後5年で作るために、志を共有した持続可能なチームを作ることだとした。「デザインを起点としたサービス作り・組織作りを主軸にしつつ、デジタル監としてデジタル庁全体の課題に取り組んでいきたい」と意気込んだ。
同じく会見に出席した牧島かれんデジタル大臣は、浅沼氏について「デザインの専門家。特にシステムデザインとして、システム自体のありようからデザインをしてくださる。デジタル社会が進む中で『誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化』という、大きなミッションを実現する上で浅沼さんのこれまでの知見が活かされる」と期待を述べた。
また、石倉洋子氏は同庁のブログで「プロジェクトの数も多く、新規業務と継続業務が入り混じり、官民の多様なバックグラウンドの職員が集い協働する中、率直に言って、次から次へと多くの課題が登場」したと振り返る。続けて「次の若い世代を中心にデジタル庁が日本全体のビジョンを実現できるように、私も側面から応援したい」とコメントした。
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