11月17日、アトラシアンはメディア・ラウンドテーブルを開催。同社の概況や最新の取り組みについて発表した。
はじめに、豪アトラシアン 最高収益責任者 キャメロン・ディーチ氏は、同社が創業20周年を迎えるにあたり「この10年間アトラシアンの大きな成長を目にしてきました」と切り出した。2002年に『Jira 1.0』、2003年に『Confluence 1.0』をリリースすると2015年にはNASDAQに上場。2017年に『Trello』を吸収している。コロナ禍では世界中のどこでも働くことのできる“Team Anywhere”に取り組んでいる一方で、「リモートワークも可能ですが、各地のオフィスに通勤したいという従業員も多くいます。今は日本の大林組と協力してシドニーに『Atlassian Central』という本社ビルを建設しています」と説明する。

2012年に同氏が入社した時点では収益1億ドル、顧客数2万人程度の規模だったという。現在では収益は30億ドル、顧客数も24万9千人以上と大きく成長しており「今後数年で100億ドルを達成するという新たなゴールを設けました」と力強く述べる。そのためにも製品プロバイダーではなくプラットフォーマーに転換するとして下図『アトラシアンプラットフォーム』を示しながら、「エンタープライズ規模の共通プラットフォーム上に製品を展開することで、企業におけるメンバーがそれぞれ自由に適切なツールを使っていただけます」と説明した。

また、下図『フライホイールモデル』によるビジネスモデルを提示し、顧客の口コミによってユーザーの輪が広がる仕組みが構築できており、世界中に700以上のパートナー企業を擁していることから自社における営業やマーケティングの比重を下げ、他社と比べて研究開発に力を入れることができているという。特に日本においては他市場と異なりローカライズに注力してきており、十分な投資対効果が得られていると自信を見せる。

そしてキャメロン氏は、すべての企業が課題としているワークフローのデジタル化に寄与できる新製品として、『Atlas』と『Atlassian Together』を披露した。Atlasは、チームごとに異なるアプリケーションを使っていてもコラボレーションを図ることができ、どのようなプロジェクトをどういったメンバーで進めていくのかなどの管理が容易になるものだとした。なお、スタンダードエディションは無償提供されており、一部の高度な機能に関しては有償となる。さらに、Atlassian Togetherは、『Trello』『Confluence』『Jira Work Management』『Atlas』『Atlassian Access』の5製品をバンドルとして提供するものであり、1ユーザーあたり月額11ドルで提供予定だ。「他社の1製品に相当する金額での提供を考えております。来年にでも使っていただけるでしょう」と強調した。

では、Atlasが具体的にどのような働きをするものなのか。アトラシアン ソリューションエンジニア 皆川宜宏氏がデモを行った。新規プロジェクトにマネージャーとして着任したことを想定したデモでは、Google SlidesやMiroなど外部情報を埋め込みながら情報共有がスムーズにできることを紹介。アップデート機能では週次で進捗などを更新することができ、誰がどのプロジェクトに携わっているのかチームメンバーを一目で把握することもできるとした。

「これまでのようにメールやチャットに時間かけながらプロジェクト内容を把握するのではなく、Atlasだけで簡単に素早く確認が完了します。具体的な進捗管理などは他ツールに委ねながら、Atlasで統制をとることができます」と自信をのぞかせる。今後は、サードパーティーツールとの連携数も増やしていきながら日本展開にも注力していくと述べた。