日本オラクルは、NTT西日本が社内業務におけるDX推進の一環として、回線開通業務の効率性向上に向けたシステム連携、データ統合および一元管理基盤を「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」上に構築し、2023年2月より稼動を開始したことを発表した。
NTT西日本は、今後OCI上で提供される「Oracle Autonomous Database」、「Oracle APEX」などのサービスを活用し進捗の可視化を実現し、開通業務の効率向上を図っていくとしている。
NTT西日本では、現在人手による作業が大半を占めている回線開通業務の作業負担を軽減し、より迅速かつ高品質なサービスを提供しながら、戦略的分野や新規ビジネス開拓に多くのリソースを投入することを目的に回線開通業務システムの見直しを行っている。
同社での回線開通業務は、回線の開通・変更・廃止などを含めると膨大な量となっており、これまでは様々な部署の担当者がオンプレミス上の異なる網に配置された複数の業務システム内データを参照しながら、大半の業務を手作業で行っていたとのこと。
今回これらの業務の効率化に向け、内製かつ低コストで行うべく、従来システムの大幅な改修を回避し、パブリック・クラウド上にシステム連携およびデータ統合基盤を構築する方法を選定。
このパブリック・クラウドの選定にあたってNTT西日本は、構築や運用管理の負荷軽減を重視し、ローコード開発や自律型データベースなどIaaSおよびPaaSの豊富なサービスを従量課金で低コストかつセキュアに利用可能なOCIを2021年12月に選定している。
NTT西日本ではこの基盤構築において、自律機能によりデータベース構築、運用管理負荷を軽減する「Oracle Autonomous Database」で業務システムから送信されるデータを統合・一元化しているとのこと。
ローコード開発ツールである「Oracle APEX」では、これらのデータから開通業務の進捗を一元的に確認可能なユーザー・インターフェース(UI)を構築し、利用開始後のUI変更も容易に行えるようにしたという。既存の基幹システムには手を加えず、基幹システムから取り出した大量の回線開通に関わるデータを自動的に仕訳してデータベース化し、必要なデータの検索も可能となっている。
今後NTT西日本は、OCIで提供される容易なアプリケーション開発を支援するローコード開発ツールやクラウド・ネイティブ・サービスを活用し、内製化による社内業務のDXをさらに推進していくとしている。
今回の発表にあたり、NTT西日本のデジタル改革推進部 部長の小田孝和氏は次のように述べている。
「当社の回線開通業務は、複数の業務システムを横断して実施する業務であるため、業務効率化を検討するにあたってはシステム改修による統合も選択肢の一つでしたが、そのためには相当の時間とコストが必要となります。今回、OCIを活用することで、大きなシステム改修を行うことなく、システムの一元化および可視化のための連携基盤を低コストで構築できました」
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