jinjerは、従業員数が300名以上の企業における人事担当者384名を対象に、「人事データの管理、蓄積、活用」に関する実態調査を実施し、その結果を発表した。
約8割の企業が人事戦略を策定する上で、人事データの活用は「重要である」と回答。実際に活用している企業は4割強という結果に
人事戦略を策定する上で、人事データの活用がどの程度重要であるかについて質問したところ、4割強が「非常に重要である(46.9%)」、3割強が「どちらかというと重要である(32.3%)」と回答した。
「非常に重要である」「どちらかというと重要である」と回答した企業のうち、人事戦略を策定する上で、実際に人事データを活用している企業は約4割強だった。一方で、6社に1社は「活用したいけど活用の仕方がわからない(16.9%)」という実態も明らかに。人事データを十分に活用している企業もいるようだが、まだまだ課題は多いことがうかがえるという。
「人事データを活用している」と答えた人事担当者の約7割強が「人事データを活用した人事戦略ができている」と回答
人事データを活用していると答えた人事担当者を対象に、「人事データを活用して人事戦略へ活かせているか」と質問したところ、「非常に活かせていると思う」が31.1%、「どちらかと活かせていると思う」が44.7%と、そのうちの約7割強が人事データを活用した人事戦略ができているという回答が得られた。300名以上の企業のうち、7割弱は既に人事データを活用して人事戦略に取り組み始めているとしている。
人事データを活用する目的のトップ3は「適切な人事評価制度の構築」「モチベーションと生産性の分析」「従業員エンゲージメントの向上」
実際に人事データを活用する企業に人事データを活用する目的を聞いてみたところ、企業ごとにかなりバラつきが表れたとのこと。その中で最も多かった目的は、「適切な人事評価制度の構築(39%)」だった。次いで「モチベーションと生産性の分析」「従業員エンゲージメントの向上」となった。
雇用の流動性が高まってる昨今において、適切な人事評価制度を構築した上で従業員のエンゲージメントの向上を試み、企業の生産性を上げていくにはどうしていくべきか、と悩む人事担当者が多くいることがうかがえるという。
活用するための人事データ項目収集に「課題を感じている」と答えた企業は約7割
利用目的に合わせて膨大な人事データを収集する際に、「課題を感じている」「どちらかというと課題を感じている」と答えた企業は、約7割に上った。
課題トップ3は、「データ活用に関して組織全体のリテラシーが低い」「マスタデータのマネジメントができていない」「部署やシステムごとにデータが散在し、正しく情報を収集・管理できていない」
人事データを集める過程で「課題を感じている」「どちらかというと感じている」と答えた人事担当者を対象に、具体的にどのようなポイントで課題を感じているかを質問したところ、課題のトップ3は、「データ活用に関して組織全体のリテラシーが低い(34.1%)」「マスタデータのマネジメントができていない(32.6%)」「部署やシステムごとにデータが散在し、正しく情報を収集・管理できていない(31.1%)」となった。
人事データを活用した人事戦略を行う企業が増えているものの、元となる人事データを収集、蓄積、管理するという前工程における課題は多く存在するようだとしている。
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