NTTアドバンステクノロジ(NTT-AT)とアンリツは、両社のサービスを連携し、サイバーとフィジカルを組み合わせた統合監視ソリューションの提供を目指して協業を開始した。
現在、ビジネス環境は急速に変化しており、製造業を含む産業分野でも迅速なDXが不可欠となっている。このDXの進化にともない、ITシステムやインターネットとの接続が急増し、従来の金融業界・小売業界・医療分野だけでなく、食品加工業などの製造業においてもサイバー攻撃が増加しているという。
かつては主に金融業界・小売業界・医療分野に焦点が当てられていたサイバー攻撃が、これらのセクターでの強力な対策の結果、新たな標的を求め、近年では製造業にも広がっている。サイバー攻撃の入口となる一つのケースとして、従業員や協力会社の社員が不用意にマルウェアやウイルスに感染した端末を社内ネットワークに接続し、それが社内ネットワーク全体に拡散するといった例があり、従来のインターネット境界のセキュリティ対策だけでは対処しきれない状況だとしている。
そのため、早期のリスク検出と対処による予防が求められる一方、セキュリティシステムによるリスク事象の検出、発生現場の特定、影響の確認には独立したシステムを跨り対応する必要があるなど大きな負担となっているとのこと。このような状況を踏まえ、今回、両社が連携し、内部からの不正接続などセキュリティリスクの検出と同時に、現場の特定・絞り込みなどを映像監視ベースで実現可能な統合監視ソリューションの提供を目指した協業を進めていくという。
統合監視ソリューションの主な特徴は以下のとおり。
- サイバーとリアルの一元的なモニタリング:生産性を効率化するDXソリューションにセキュリティを組み合わせることにより、“工場内の人が倒れた”“ラインに異物が混入した”などのリアルイベントの対応と、セキュリティイベントの対応を同一の監視オペレーションで提供
- イベント発生時の状況把握:工場内部のネットワークに未承認端末が接続されたセキュリティイベントを検出した際、統合管理している画面上にセキュリティイベントのテロップを表示。また、現場に設置した複数のカメラで記録したネットワークセグメントの映像を検出した時間から自動的に再生できる。これにより、未承認端末の接続を侵入者が行ったのか、内部関係者が行ったのかを把握することが可能
- イベントと映像監視を連動させたトレーサビリティの確保:セキュリティリスク検出などのサイバーイベントと、カメラ映像(場所・時刻など)を関連付けて記録・再生できる。該当エリアにおける現時点およびイベント発生前後、周辺の映像など、管理者が確認すべき現場の状況についてイベントドリブンで目視確認することが可能
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