Databricks(データブリックス)とAnthropic(アンソロピック)は、データブリックスの「データ・インテリジェンス・プラットフォーム」を通じてAnthropicのモデルとサービスをネイティブに提供する、5年間の戦略的パートナーシップを発表した。
データブリックスの「Mosaic AI」と組み合わせた同パートナーシップにより、Anthropicのクロードモデルが、独自データとともに1万社以上に直接提供されるという。これにより、ユーザーは自社のデータを推論するAIエージェントを構築し、展開することが可能になるとしている。
両社は共同で、エージェントアプリケーションの開発、評価、展開、ガバナンスのための、業界最高水準のソリューションを提供すると述べている。
パートナーシップの主なメリット
企業データ上でドメイン固有のエージェントを構築
AnthropicのClaudeは、推論、企画、問題解決の機能を提供し、ユーザーがより良くカスタマイズを行うための、大きなコンテキストウィンドウで大規模かつ多様なデータセットを扱える、ドメイン固有のAIエージェントを構築・展開するのに役立つとしている。データブリックスとClaudeは、複雑なマルチステップワークフローを持つ、高度な推論ユースケースもサポート。たとえば、ヘルスケア分野のエージェントは臨床試験のための患者登録プロセスを合理化できるほか、小売業では、エージェントが季節的な傾向や在庫レベルとともに販売データを分析し、収益最大化に向けた人員配置、プロモーション、店舗レイアウト最適化のための局所的な業務調整を推奨できるとのことだ。
データ・インテリジェンス・プラットフォームとネイティブに統合
SQLクエリおよびモデルエンドポイントを介して利用可能なClaudeモデルが、データブリックスのデータ・インテリジェンス・プラットフォームに統合されることで、ユーザーは手動でデータを複製する必要がなく、コストを削減し、シームレスな体験を実現できるとしている。また、ベクターインデックスを自動的に生成したり、エンタープライズデータでモデルを微調整したりすることで、検索拡張世代(RAG)によりClaudeモデルを簡単にカスタマイズできるという。
統一されたガバナンスと責任あるAI開発
同パートナーシップは、Anthropicの安全性研究と憲法AIを、データブリックスの「Unity Catalog」と組み合わせたものだという。ユーザーは、データとAI資産にわたるエンドツーエンドのガバナンスを得ることができ、自動的に適切なアクセス制御の実施、コスト管理のための料金制限の設定、AIワークフロー全体を通じた系統の追跡が可能に。また、安全ガードレールを導入してAI悪用の可能性を監視し、定義された倫理的境界線内でAIシステムが動作するようにできるとのことだ。
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