順天堂大学とアビームコンサルティングは、AIを活用した医師の働き方改革の実現に向けた共同研究において、医師の経験・ナレッジの活用を高度化する生成AIサービスの開発を開始した。
同取り組みにおいて両者は、医療業界で喫緊課題となっている医師の働き方改革および医療の均てん化に向けた業務改革に対するAI活用の有用性を検証するため、アビームコンサルティングが開発した簡易的に生成AIの業務利用が体験できる「生成AIスターターアプリ」を活用し、各種論文やガイドラインなどのデータを取り込んだプロトタイプアプリを構築したとしている。同アプリを、順天堂医院における脳神経内科、循環器内科、総合診療科の臨床現場で実際に運用し、その利用状況や医師のフィードバック内容を分析した結果、優先して解決すべき事項として「医師のナレッジ・経験の組織全体への共有の不十分さ」と「専門外領域に関する問い合わせ対応に係るリソース負担」を特定したという。
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そこで、生成AI活用による診療業務の改革が期待できるユースケースとして、「医師の経験・ナレッジ活用の高度化・効率化」をテーマに選定し、サービス開発に向けた課題の研究および要件定義、PoC開発を開始。順天堂大学の医療知見と、アビームコンサルティングのAI知見を融合させ、医師・医局ごとに蓄積されたノウハウをデータ化し、診療現場でのナレッジ活用の高度化に貢献するサービスとして開発を進めるとしている。
なお、同サービスは、高度な社会課題・経営課題をAIによって解決するアビームコンサルティングのサービス「AIソーシング」の一環として位置付け、7月までの開発完了および順天堂医院への試験導入を目標に進めるという。その後は、順天堂大学医学部のそのほか附属病院や、ほかの医療機関にも導入可能なレベルへと開発・検証を重ね、将来的な製品化に向けたサービス開発を予定しているとのことだ。
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