沖電気工業(以下、OKI)は、「SAP S/4HANA Cloud」を中核とするクラウドオファリング「GROW with SAP」を採用した。導入プロジェクトはSAPジャパンが支援するという。
OKIではこれまで、社内ITシステムの整備が部門単位で個別に最適化され、業務の多くが人手に依存した結果、データの一貫性や効率性の面で改善の余地があり、全社レベルでの情報活用と可視化の高度化が求められていたという。また、グローバルな規制対応やM&Aの加速に向けても、柔軟性と拡張性を備えた共通の経営基盤の整備が急務になっていたとのことだ。
こうした背景のもと、OKIは、SAPが提供するGROW with SAPの採用を決定。今後、SaaS型ERPのSAP S/4HANA Cloud Public Editionを中核に据え、標準的な業務モデルを活用したFit to Standardのアプローチにより、業務プロセスをグローバル水準で標準化するとしている。
また、SAP Business Technology Platformを通じて、差別化が求められる業務領域にはERPシステムへの変更を加えないSide-by-Side開発を適用し、クリーンコアを維持しつつ柔軟性も確保するとのことだ。将来的には、SAPのAIデジタルアシスタントである「Joule(ジュール)」の活用、SAP Business Data Cloudを活用した経営状況や、予実管理のリアルタイム可視化も視野に入れ、経営判断の高度化と業務タスクの自動化を段階的に推進する計画だという。
OKIは、今回のプロジェクトを通じて全社的な経営基盤を刷新するとともに、GROW with SAP導入で得た知見をITソリューション外販事業の差別化要素として活用し、社内外双方で新たな価値創出の機会拡大を目指すと述べている。
今後は、SAP S/4HANA Cloud Public Editionの6ヵ月ごとの機能アップデートを活用しながら、AIによる経営判断の高度化や、業務自動化の取り組みを継続的に進めていくとのことだ。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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