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Data Tech 2025

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2025年夏号(EnterpriseZine Press 2025 Summer)特集「“老舗”の中小企業がDX推進できたワケ──有識者・実践者から学ぶトップリーダーの覚悟」

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ガートナー、2026年版「戦略的テクノロジのトップ・トレンド」を発表

 ガートナージャパン(以下、Gartner)は、2026年に企業や組織にとって重要なインパクトを持つ「戦略的テクノロジのトップ・トレンド」を発表した。

AIネイティブ開発プラットフォーム(AI-Native Development Platforms)

 AIネイティブ開発プラットフォームは、生成AIを使用して、これまで以上に迅速で簡単なソフトウェアの創出を可能にするという。ビジネス部門に組み込まれて活動するソフトウェアエンジニアは、「最前線に配置されたエンジニア」としてこうしたプラットフォームを活用し、領域専門家と連携してアプリケーションを開発できるとのことだ。人間とAIが「小さなチーム」として協働することで、現在と同じレベルの開発者数でより多くのアプリケーションをデリバリできるようになるとしている。先進的な組織は、セキュリティとガバナンスのガードレールを装備した上で、小規模なプラットフォーム・チームを設置し、非テクノロジの領域専門家が自らソフトウェアを構築できるよう支援しているという。

 2030年までに、AIネイティブ開発プラットフォームによって、80%の組織が大規模なソフトウェアエンジニアリング・チームを転換させ、AIによって増強され、より小規模で敏捷なチームへと進化させるようになるとGartnerではみているとのことだ。

AIスーパーコンピューティング・プラットフォーム(AI Super Computing Platform)

 AIスーパーコンピューティング・プラットフォームは、CPU、GPU、AI ASIC、ニューロモルフィック・コンピューティング、その他のコンピューティング・パラダイムを統合するという。これによって組織は、複雑なワークロードのオーケストレーションに加え、新たなレベルのパフォーマンス、効率性、イノベーションを実現できるようになるとしている。これらのシステムは、強力なプロセッサ、大容量メモリ、専用ハードウェア、オーケストレーション・ソフトウェアを組み合わせ、機械学習、シミュレーション、アナリティクスなどの領域でデータ集約的なワークロードに対応するとのことだ。

 2028年までに、主要企業の40%以上が重要なビジネス・ワークフローにハイブリッド型コンピューティング・パラダイムのアーキテクチャを採用するようになるとGartnerではみているという。

 この能力は、既にさまざまな業界でイノベーションを推進しているとのことだ。たとえば、ヘルスケアやバイオテクノロジでは、これまで数年単位の時間がかかっていた新薬のモデル化を数週間で実行できるようになっているという。また、金融サービス業界では、グローバル市場のシミュレーションによるポートフォリオ・リスクの軽減、公益事業では、異常気象のモデル化によるグリッドのパフォーマンス最適化が行われているとのことだ。

マルチエージェント・システム(Multiagent Systems)

 マルチエージェント・システム(MAS)は、個別または共通の複雑な目標を達成するために相互作用するAIエージェントの集合体を指す。エージェントは、単一のAIサービスプロバイダーで提供されることもあれば、クロスプラットフォームで独立して開発/展開されることもあるという。

 マルチエージェント・システムの採用は、企業が複雑なビジネスプロセスを自動化し、チームのスキルを向上させ、人間とAIエージェントの新しい連携のあり方を創出するための実用的な方法になるとのことだ。モジュール型の専門的エージェントは、ワークフロー全体で定評のあるエージェントを活用することにより、効率を高め、デリバリを加速し、リスクを軽減できるという。また、このアプローチによってオペレーションの規模を拡張し、変化するニーズに迅速に対応することが容易になるとしている。

ドメイン特化言語モデル(DSLM:Domain-Specific Language Models)

 CIOやCEOは、AIにさらなるビジネス価値を求めているものの、一般的な大規模言語モデル(LLM)では専門的なタスクに対応できないことが少なくないという。ドメイン特化言語モデル(DSLM)は、正確性の向上、コストの削減、コンプライアンスの強化を通じてこのギャップを埋めるという。DSLMとは、業界、機能、プロセスに特化したデータを用いてトレーニング/ファインチューニングされた言語モデルである。汎用モデルとは異なり、DSLMはターゲットとするビジネスニーズに対して、より高い正確性、信頼性、コンプライアンスを提供するとのことだ。

 2028年までに、企業が使用する生成AIモデルの過半数がドメイン特化型になるとGartnerではみているという。

 エージェントの展開を成功させる上で、コンテキストが最も重要な差別化要因の一つとして浮上しているとのことだ。DSLMを基盤とするAIエージェントは、業界特有のコンテキストを解釈して、未知のシナリオでも適切な判断を下すことができ、正確性、説明可能性、合理的な意思決定を実現するとしている。

フィジカルAI(Physical AI)

 フィジカルAIは、ロボット、ドローン、スマートデバイスなど、現実の環境を検知/理解/行動するマシンやデバイスを強化し、現実世界にインテリジェンスをもたらすという。自動化、適応性、安全性が優先される業界において成果を実現するとのことだ。

 導入の拡大とともに、組織ではIT、オペレーション、エンジニアリングの橋渡しをする新しいスキルが必要になるという。この変化は、スキルアップやコラボレーションの機会を生み出すが、同時に雇用上の懸念も生み、慎重なチェンジマネジメントが求められる可能性もあるという。

先制的サイバーセキュリティ(Preemptive Cybersecurity)

 ネットワーク、データ、接続システムを標的とした脅威の急激な拡大を受けて、先制的サイバーセキュリティに注目する必要性が高まっているという。2030年までに、CIOが受け身の防御から脱却し、プロアクティブな防御へと転換するのにともない、先制的なソリューションがセキュリティ支出全体の半分を占めるようになるとGartnerではみているという。

 先制的サイバーセキュリティとは、AIで強化されたセキュリティ運用を活用し、プログラムで脅威を阻止、妨害し、攻撃者を欺くことで、攻撃される前に先制的に防御することを意味する。企業は、予測こそが防御となる時代に変わってきていると認識する必要があると同社は述べている。

デジタル属性(Digital Provenance)

 組織がサードパーティのソフトウェア、オープンソースのコード、AI生成コンテンツの適用を拡大させる中、デジタル属性の検証が不可欠になっているという。デジタル属性とは、ソフトウェア、データ、メディア、プロセスの出所、所有者、完全性を検証する能力を指す。ソフトウェア部品表(SBOM)、認証データベース、デジタル・ウォーターマークなどの新しいツールは、サプライチェーン全体でデジタル資産を検証/追跡する手段になるとのことだ。

 2029年までに、デジタル属性への適切な投資を怠った組織は、最大で数十億ドル規模に上る制裁のリスクにさらされる可能性があるとGartnerではみているという。

ジオパトリエーション(Geopatriation)

 ジオパトリエーションとは、企業のデータやアプリケーションをグローバルなパブリッククラウドから、ソブリンクラウドや地域のクラウドプロバイダー、自社データセンターといった適切な場所に移設することを意味する。この背景には、地政学的リスクの高まりによる地域や国によるルールの変化があるとのことだ。ソブリンクラウドは、以前は金融機関や政府機関に限定されていたが、世界情勢の不安定化にともない、現在では幅広い組織に影響を及ぼしているという。

 ソブリンクラウドのサービスを強化しているプロバイダーにワークロードを移行することで、CIOはデータレジデンシ(データの保存場所)、コンプライアンス、ガバナンスをより厳密に管理できるようになるとのことだ。こうした管理強化により、地域の規制との整合性が向上し、データプライバシーや国益を懸念する顧客との信頼関係構築にも寄与するとしている。

 2030年までに、欧州と中東の企業の75%以上がジオパトリエーションを採用し、地政学的リスクの軽減を念頭に設計されたソリューションへと仮想ワークロードを移行するようになるとGartnerではみているという。これは、2025年の5%未満から大幅な増加となる。

AIセキュリティ・プラットフォーム(AI Security Platforms)

 AIセキュリティ・プラットフォームは、サードパーティ製およびカスタム構築のAIアプリケーションを保護するための統一された方法を提供するという。一元的に可視化し、使用ポリシーを適用し、プロンプトインジェクション、データ漏洩、不正なエージェントアクションなどといったAI特有のリスクから保護するとのことだ。こうしたプラットフォームを役立てることで、CIOは使用ポリシーを適用し、AIの活動をモニタリングし、AI全体に一貫したガードレールを適用できるという。

 2028年までに、企業の50%以上がAI投資を保護するためにAIセキュリティ・プラットフォームを使用するようになるとGartnerではみているという。

コンフィデンシャル・コンピューティング(Confidential Computing)

 コンフィデンシャル・コンピューティングによって、機密データの取り扱い方法が変わるという。ハードウェアベースの信頼できる実行環境(TEE)内にワークロードを隔離することで、インフラストラクチャのオーナーやクラウドプロバイダー、さらにはハードウェアに物理的にアクセスできる人に対しても、コンテンツやワークロードの機密性を保持できるとのことだ。これは、規制産業や、地政学的リスク/コンプライアンスリスクに直面するグローバル組織、そして競合間の連携にとって、特に高い価値があるという。

 2029年までに、信頼されていないインフラストラクチャで処理されるオペレーションの75%以上が、コンフィデンシャル・コンピューティングによって、データ使用中の段階でも保護されるようになるとGartnerではみているとのことだ。

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