NECパーソナルコンピュータ(以下、NECPC)は7月23日、法人向けPC全7機種を発表したと同時に、法人向けPCブランドを「LAVIE」に統一し、新たなラインアップとして展開することを発表した。
同日開催の説明会に登壇したNECPC 代表取締役執行役員社長の檜山太郎氏は、2025年4月に実施した組織再編の成果を説明した。営業部隊が合流し、開発から生産、販売までを担う「製販一体」の体制を確立したことで、現場や顧客からのフィードバックを迅速に技術設計や生産現場へと反映できるようになったという。結果として発足当初に6.4%まで低下していた国内法人向けPC市場の出荷シェアは、1年間で11.6%(2025年度第4四半期実績)へと倍増近くまで拡大した。
市場動向について檜山氏は、Windows OSの移行需要やGIGAスクール構想による特需が一巡する2026年以降、全体的な出荷台数は一定の落ち着きを見せると予測する。一方で、国内のAI関連投資額は2024年から2027年にかけて約3倍に拡大すると分析。従来のクラウド中心の機械学習から、クライアント端末やエッジ領域での推論処理へとAI利用の重心がシフトしていることを指摘し、常時接続性や処理能力を備えたクライアントコンピューティングの重要性を強調した。
続けて登壇した同社 コマーシャル事業本部長の宮前豊氏は、2026年度の事業方針として「AIを活用したクライアントコンピューティングで顧客の安心に寄り添い、事業を拡大する」と表明。具体的な取り組みとして、販売パートナープログラムの強化や、特定業種(医療・公共・教育など)向けアライアンスの拡充、AI PCラインナップの拡大を提示する。そして、AI対応モデルの比率を従来のハイエンド中心(全体の約3割)から、スタンダードモデルを含む全ラインナップの7割まで大幅に引き上げる方針を示した。
同社はこれまで、デスクトップPCを「Mate」、ノートPCを「VersaPro」として展開してきたが、これを個人向け市場で浸透している「LAVIE」ブランドへ順次移行・統合していくことを発表した。
ブランド統合の背景について宮前氏は、コロナ禍以降の働き方の多様化により、労働と生活の境界が曖昧になりつつある現状を挙げる。PCを単なる業務ツールとして捉えるのではなく、多様な働き方の中で意思決定や価値創造を支える「ビジネスユーザーの伴走者」と再定義した結果、フランス語で「人生」を意味する「LAVIE」がブランドとして最適であると判断したと語った。
続いて、同社 商品企画本部長の三島達夫氏が今回発表された法人向けLAVIEのラインナップと、課題解決に向けた機能群について解説した。
新しい法人向けLAVIEは、モバイルからA4ノート、タブレットまで全7機種をラインアップ。AI PCを中核に、独自のAIサポートソフトウェア「AI Plus Biz」やAIバッテリーマネジメントなどを組み合わせることで、導入から運用、保守までビジネスを止めない安定した環境の実現をサポートするフラッグシップモデルだとした。詳細は以下のとおり。
LAVIE BM94C
最軽量構成時約999gの軽量ボディと動画再生約30.5時間、アイドル時約50.8時間の世界最長バッテリーを両立し、Copilot+ PCに準拠したプレミアムモバイルPC。インテル Core Ultra シリーズ 3 プロセッサーを搭載し、14型16:10ディスプレイやThunderbolt 4対応USB Type-C、有線LANなどのインターフェースを備える。
また、AIバッテリーマネジメント機能により、長時間駆動とバッテリー寿命の向上を支援。日本語入力に配慮したキーボードを採用し、複数の顧客訪問や長時間のオンライン会議など、モバイルワークを支える。
LAVIE BM74C
最軽量時約914gの軽量設計と長時間バッテリーを両立し、Copilot+ PCに準拠した14型モバイルPC。インテル Core Ultra シリーズ 3 プロセッサーを搭載し、14型16:10ディスプレイやThunderbolt 4対応USB Type-C、有線LANなどを備えるほか、AIバッテリーマネジメント機能に対応している。
ユーザーによるバッテリー交換に対応するほか、5G/LTEやタッチネルも選択でき、長期運用や多様な働き方を支援する。
LAVIE BM54C
インテル Core シリーズ 3 プロセッサーを搭載した14型スタンダードAI PC。Wi-Fi 7やAIバッテリーマネジメント機能に対応するほか、LTEやタッチパネルも選択可能。
有線LANやHDMIなど変換アダプター不要のインターフェースを備え、モバイル業務での使いやすさを高めている。また、ユーザーによるバッテリー交換に対応し、長期利用にも配慮している。
LAVIE BN76C
最軽量時約2kgを切る軽量設計と16型ディスプレイを両立し、Copilot+ PCに準拠したA4ノートPC。インテル Core Ultra シリーズ 3 プロセッサーを搭載し、Thunderbolt 4対応USB Type-Cや有線LAN、光学ドライブなど豊富なインターフェースを備える。
また、高輝度16型液晶や長時間バッテリーに対応。バッテリー、SSD、メモリーをユーザー自身で増設できるほか、防滴設計やMIL規格準拠の堅牢性を備える。
LAVIE BN56R
AMD Ryzen AI 400シリーズを搭載し、Copilot+ PCに準拠した16型スタンダードノートPC。16型WUXGAディスプレイやWi-Fi 7に対応するほか、有線LANや光学ドライブを継続搭載し、既存の業務環境との互換性を確保。また、ユーザーによるバッテリー、SSD、メモリーの交換に対応し、長期運用を支援する。
LAVIE BN56C
インテル Core シリーズ 3 プロセッサーを搭載した16型スタンダードノートPC。16型ディスプレイやWi-Fi 7に対応し、有線LANや光学ドライブを備えるほか、ユーザーによるバッテリー、SSD、メモリーの交換に対応している。さらに、防滴設計とMIL規格準拠の堅牢性を備える。
LAVIE BT53C
13型タッチディスプレイを搭載したWindowsタブレットPC。インテル Core Ultra シリーズ 3 プロセッサーを搭載し、500cd/㎡の高輝度液晶やCopilot+ PCに準拠したAI性能を備える。自立スタンドを内蔵し、5G通信や充電式キーボード、ペンをオプションで選択可能。独自のサポートチャット「AI Plus Biz」に対応し、外出先や現場での業務効率化を支援する。
また、トラブル発生時の従業員の業務停滞を防ぐ機能として、自社開発のヘルプデスク支援ソリューション「AI Plus Biz」の機能強化が発表された。従来のチャットボットでは質問が曖昧な場合に適切な回答を導き出せない課題があったが、新しいUIではAI側から状態を絞り込むための選択肢が提示される形式に改められたという。PCの操作に詳しくないユーザーでも対話を通じてトラブルの原因を特定しやすくすることで、情報システム部門への問い合わせ件数の削減に貢献できるとした。
さらに、クラウドへのデータ保存に抵抗感を持つ層に向けた新機能「LAVIEスマートバックアップ」も発表された。2nd SSDを搭載したモデルにおいて、指定した重要データをバックグラウンドで自動かつリアルタイムにローカルバックアップする仕組みだという。三島氏は、ネットワーク障害が発生した場合でも、ローカル環境で迅速にデータを復元できる利点を説明した。
運用保守の面では、従来の引き取り修理保証の上限(最大5年)を延長し、最大7年までの長期保証に対応する。加えて、破損保証の対象に盗難を追加し、補償金額の上限も撤廃した。PCの長期運用化が進む企業のライフサイクル管理に応える体制を整えたとしている。
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