日本電気(NEC)は9月9日、自社が目指す「AIネイティブカンパニー」のビジョンと、同年8月10日に発表したAI自律型組織「コーポレートAI・Workforce部門」の取り組みに関するメディア説明会を開催し、同社 執行役 Corporate EVP 兼 CAXOを務める小玉浩氏が登壇した。
同氏は、AIネイティブカンパニーについて「従来型の企業オペレーションは人を前提に組み立てられていたが、今後は人的資本に加えて『AI Capital』を組織に組み込み、企業OSそのものを再構築することが不可欠になる」と説明。AIを単なる省力化ツールにとどめず、組織の根幹に統合することで、人の能力拡張と組織力の増幅を図る狙いがあるとした。
AI Capitalは、組織内に深く組み込まれた経営資産そのものを指す。人とAIはともに同社の行動規範(NEC Way)やルールを共有する存在として位置づけられており、AIエージェントに対しても人間と同等のオンボーディングが実施されるという。
同社は、8月10日にAIエージェントが協働する自律型組織「コーポレートAI・Workforce部門」を発足。「AI部門長」「AIボード」「AIマネージャー」「AI社員」という4階層で構成されており、すべてのAIエージェントが事前に社内規定や行動規範を学習している。初期段階で17だったAI社員数は現在36まで拡大し、業務に応じたタスクを自律的に遂行するという。
説明会では、組織の可視化と統括を担う「AI統合マネジメントコックピット」のデモが実施され、財務分析や営業支援における具体的な挙動が示された。コックピット上では予兆検知機能やロジックツリーに基づく要因分析が行われ、CFOレポートの自動生成や受注状況の課題抽出が実行される。AI社員同士が連携して分析資料を作成する一方、日報や評価を通じて自律的な改善行動が促される仕組みが整えられている。
AI組織のガバナンスを担保するにあたり、同社は「AIによる実行、人による統治」という原則を掲げている。AI組織内部では週1回のAIボード会議やエンゲージメントサーベイ、1on1、ストレスチェックが自動で実施され、自律的な組織進化が図られるという。実世界の人の管理職および経営層は、コックピットを通じて業務状況を監視し、必要に応じて方向性の提示や最終承認、リソース配分の最適化を行うという役割分担だとした。
今後の展望について、同氏は社内検証を通じて体系化されたフレームワークや経営オペレーション基盤の知見を「BluStellar」のメニューや導入シナリオとして順次提供する予定だとした。「既に環境が整った顧客企業に対する提案準備は完了しており、顧客の成熟度に応じた段階的な支援が開始されている」とし、本格的な展開に向け準備を進めていく姿勢を示した。
【関連記事】
・ツルハHDとNEC、適正在庫運用に向けて検証実施 AIエージェントが販売実績や在庫状況のデータを分析
・NECと三菱重工、防衛分野で覚書 データ・AI主権、新たな指揮統制システムなど
・NEC、Anthropic「Project Glasswing」に参画 Mythosで脆弱性対策へ
この記事は参考になりましたか?
- この記事の著者
-
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア
