「クラウドブローカリングサービス」は、利用するアプリケーションの視点で、利用するクラウド環境を、プライベートクラウドや複数のパブリッククラウド(IaaS)を跨って、全社で一元管理可能にしてセキュリティやガバナンスを強化するという。
さらに、アプリケーションとそのインフラ構成をカタログ形式にカプセル化することでクラウド間の仕様の差を吸収し、コードやインフラ構成を修正することなく簡単・迅速にコスト・性能の面で最適なクラウド環境へ展開可能にするとしている。
「クラウドブローカリングサービス」の主な機能は次のとおり。
1. アプリケーションとインフラ構成をカタログ化
このサービスの核となる機能で、アプリケーションとインフラ構成(Webサーバ/アプリケーションサーバ/データベースサーバ/ロードバランサ/ファイアウォール等)を融合した情報をカタログ形式にカプセル化し。これによって、各クラウドの仕様差の吸収と一元管理を実現。
このカタログは、GUI上でインフラ要素をドラッグ&ドロップする直観的な操作で簡単に作成可能。そして、最適な構成をテンプレート化することでナレッジの蓄積が可能になり、アプリケーションの開発・展開速度が大幅に向上。さらに、ネットワンシステムズがノウハウを活かして作成した高可用性構成やセキュリティ強化構成などのカタログテンプレートも提供することで利便性を向上。
2. クラウド間の性能・コストを比較
作成したカタログを活用して、複数のクラウド間でアプリケーションの処理性能やインフラ稼働コストを比較する機能。これによって、利用目的に最適なクラウドを客観的に判断可能。
稼働コストは、各クラウドサービスのAPI経由で最新の価格を反映して計測。処理性能の計測では、シミュレーションではなく実際のクラウド環境に展開して算出し、N-tierアプリケーションでは、1秒あたりで処理できるリクエスト数で計測する。これによって、最適なインスタンスサイズも検討することができる。
3. クラウド間の仕様の違いを吸収
カタログ化によって各クラウドの仕様の差分を吸収し、コードやインフラ構成の修正無くアプリケーションを各クラウド上に自動展開可能。これによって、性能や価格を比較した上で、最適なクラウドに仕様の差を意識することなくアプリケーションを簡単・迅速に展開。
4. マルチクラウドの利用状況を一元管理してガバナンス強化
アプリケーションが稼働しているクラウド環境について、利用クラウド/リソース利用状況/利用者などの情報を、単一の画面で一元的に管理可能。さらに、利用部門ごとにテナントを分け、役割に基づいた権限やコスト割り当ての設定が可能。
また、複数のクラウドをまとめたポリシー設定が可能で、閾値に基づいたアラート設定や、リソース利用状況や特定タイミングでの自動スケール設定、そして、アプリやクラウドごとに“テスト・開発・商用”などのライフサイクル別のタグが設定可能。
このサービスは、まず「Amazon Web Services」と「VMware vCloud Air」に対応し、今後利用可能なクラウド環境を増やしていく。また、今後プライベートクラウドのオーケストレーションツールとして「VMware vCenter」や「OpenStack」に対応するとともに、「Cisco ACI」や「VMware NSX」などのSDN製品とも連携することで、アプリケーション・インフラ・ネットワークを連携させたプロビジョニングも実現するという。