TIS株式会社は8日、ひまわり証券株式会社のFX証拠金取引オンライントレーディングのインフラシステムを、VMware社の仮想化ソフトウェアVMware Infrastructure 3を活用して構築したと発表した。
今回、新たに構築したオンライントレーディングシステムでは、業務・情報系を担当するWebサーバ、アプリケーションサーバのインフラ環境にVMware Infrastructure 3を導入。仮想プラットフォーム上で62台の仮想サーバが稼働する構成とした。同システムは2008年3月より本稼動を開始している。
システムの発注者であるひまわり証券はシステムの刷新にあたり、「24時間安定したサービスを提供すること」「高いレスポンスを維持すること」「取引量の拡大に対して即時に拡張できること」などを求めた。受注側のTISは、仮想化プランの提案について、以下のようなポイントが決め手となったと述べている。
- 高可用性
メンテナンス時やハードウェア障害時でも、稼動中のサービスを停止することなく、別のサーバへ移動することによりダウンタイムを短縮
- 柔軟な拡張性
取引量の拡大などでサーバのリソースが逼迫した際にも、新たなハード環境を用意することなく、空きリソースのある別サーバを活用可能
- 省エネ・省スペース
仮想環境の活用により少数の物理サーバでのシステム稼動が可能となるため、運用費に直結する電力量や物理スペースと配線敷設などを抑制
ひまわりホールディングス株式会社 情報システム部長の中野和彦氏は、「日本の金融業界ではまだ先行事例の少ない仮想技術を活用した新しいFX証拠金取引オンライントレーディングスシステムは、ひまわり証券にとっても大きなチャレンジでしたが、構築後も安定稼働しており、パフォーマンスにも大変満足しております」と今回の導入の成果について述べている。
昨今、普及が進んでいる仮想化技術だが、金融機関などミッションクリティカルな領域での利用はまだ少ない。今回の事例は、仮想化普及促進のひとつのきっかけなるのではないか、と関係者は述べている。