ビジネス市場向けは15.2%減、家庭市場向けは前年同期比9.7%増
2017年第1四半期のタブレット端末の出荷台数は、前年同期比3.0%増の222万台となった。これをセグメント別に見ると、家庭市場向けタブレットは前年同期比9.7%増の173万台、ビジネス市場向けタブレットは15.2%減の49万台となった。
国内タブレット市場は、2016年第3四半期(7~9月)~第4四半期(10~12月)と2期連続でマイナス成長が続いてきたが、家庭市場向けの出荷が好調に推移したことで2017年第1四半期は、プラス成長となった。家庭市場の成長を支えているのは、通信事業者向けを中心とした通信回線付きモデルで、同モデルは前年同期比28.2%増と大きなプラス成長となった。しかしながら、実需の指針となるWi-Fiモデルは前年同期比16.2%減とマイナスとなり、需要は低いとIDCではみている。
また、ビジネス市場向けの出荷は、教育市場向け出荷が学校案件の他、通信教育向けの出荷によって大きく台数を伸ばし前年同期比150.8%増とビジネス市場を底支えした。しかしながら一般企業では、ポータブルPCとの競合や、外出先でのメールなどのやりとりを携帯電話やスマートフォンで行う事が多いことから、タブレットに対する需要は低く、マイナス成長となった。
上位5社はアップル、ファーウェイ、LG、NEC Lenovoグループ、富士通
2017年第1四半期の国内タブレット市場出荷台数の上位5社は、アップル、ファーウェイ、LG、NEC Lenovoグループ、富士通となった。アップルは、前年同期比5.7%減と新型iPadの発売に伴う出荷調整が行われたことから出荷台数を落とす結果となった。ファーウェイは、通信事業者向け出荷が同社に集中しつつあり、またソフトバンクモバイル向け出荷も始まったことから前年同期比で33.7%増と市場を牽引した。LGは新たに通信事業者向けの標準端末の納品が始まったことから、第3位となった。
今後の見通しに関し、「タブレットの出荷は、利用される用途がPCやスマートフォンと非常に近いことから、家庭市場やビジネス市場において需要は限定的なものとなりつつある。一方、通信事業者向け出荷が大きく市場を牽引しており、この出荷によって市場は支えられている。今後も、タブレットとしての明確な利用用途が見出せない状況が続くと予測され、一般の買い替え需要の低さが続き、通信事業者向け出荷によって市場が維持される可能性が高い」とIDC Japan PC,携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストの浅野浩寿氏は述べている。
今回の発表は、IDCが発行する「国内モバイルデバイス市場 2017年第1四半期の分析と2017年~2021年の予測」にその詳細が掲載される。