企業ITのビジネス貢献度をあげるために「IT基盤の再構築」を検討している企業が多く、ソリューション候補としてクラウド(IaaS、PaaSなど)が指向される傾向にある。しかし案件ごとに異なるIaaS/PaaS事業者を選定し、知らないうちにクラウドのサイロ化が進んでいる企業が多いのも現実だ。
選定においては、IaaS/PaaS事業者の特性を読み取って、将来にわたって、自社に最も適したパートナーはどの事業者かという視点で検討すべきである。ホワイトペーパーでは、IaaS/PaaSの特性評価項目として12個のチェック項目をあげ、代表的な事業者サービスの概要とともにそれらの特性評価を紹介している。
ユーザー企業ごとにビジネス戦略は異なることから、IT基盤としてのIaaS/PaaSに対する要求も異なるものとなるはずだ。ユーザー企業は、中長期的な観点で図に示した評価項目のどこに重点を置くか、または評価に使わない項目はどれかを判断し、項目評価のための自社基準を策定したうえで、情報を収集し評価を行うことが求められる。
ITRのプリンシパル・アナリスト甲元宏明氏は、「自社の次世代IT基盤としてのクラウドを検討するためには、自社ビジネスにクラウドがどのように貢献するのかを常に問いながら検討を進めることが重要なポイントとなります。IT基盤は少なくとも10年は同じアーキテクチャを維持することが求められます。IT基盤の再構築にあたっては、戦略的かつ中長期的な観点で検討を行い、長期にわたって信頼関係を構築できるクラウド事業者を選択すべきです」と提言している。
■ITR White Paper「ビジネス貢献のためのクラウド選定指針
~ビジネス戦略起点のIaaS/PaaS選定アプローチ~」目次
- 第1章 エグゼクティブ・サマリ
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第2章 国内企業のクラウド活用動向
国内企業におけるクラウド利用状況
IaaS/PaaS の利点と課題 -
第3章 ビジネス貢献のためのクラウド選定指針
「ビジネスに貢献するIT」実現のためのクラウドの重要性
国内企業が求める最終的なクラウド形態
自社ビジネス戦略に応じたクラウド(IaaS/PaaS)選定指針
IaaS/PaaS 選定時の留意ポイント - 第4章 提言