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IoTパートナーコミュニティでブロックチェーン利用の宅配ボックス共同実験が進展。

 株式会社セゾン情報システムズと、GMOインターネット株式会社およびGMOグローバルサイン株式会社の3社が、株式会社パルコと共同で、ブロックチェーンとIoT技術を活用した「本人のみ受け取り可能な宅配ボックス」を、WEB通販サイト「カエルパルコ」と連携する実証実験を2017年5月30日から6月9日にかけて行い、実ビジネスにおける有用性を確認した。

 この実証実験は、株式会社ウフルが事務局を務める、IoTパートナーコミュニティの「ブロックチェーンワーキンググループ」の活動の一環として行われた。

本実証実験の背景

 昨今の宅配の再配達増加に伴う配送業者の負担や、配達の際に排出される二酸化炭素による環境汚染などの社会問題を背景に、Web通販ユーザーが安心かつ非対面による荷物の受け渡しサービスのニーズが高まっている。

 そこで3社は、パルコの協力のもと、「本人のみ受け取り可能な宅配ボックス」と、パルコが提供する出店テナントショップの店頭在庫を活用した取り置き予約&通販注文サービスサイト「カエルパルコ」を連携させる実証実験第二弾を行った。

「本人のみ受け取り可能な宅配ボックス」と「カエルパルコ」の連携イメージ
「本人のみ受け取り可能な宅配ボックス」と「カエルパルコ」の連携イメージ

実証実験の概要

 第一弾で実証した「本人のみ受け取り可能な宅配ボックス」では、GMOインターネットが提供するPaaS型のブロックチェーンプラットフォーム「Z.com Cloud ブロックチェーン」を基盤に、スマートコントラクトを実装。宅配ボックスには、セゾン情報システムズのシステム連携ツール「HULFT IoT」を導入した。このシステムでは、配送業者が宅配ボックスに荷物を納入することで、ブロックチェーン上に納入記録および施錠要求が行われ、荷物を受け取る利用者は、個人に紐づくスマートフォンを通じてブロックチェーン上に解錠を要求することで、宅配ボックスが解錠し、荷物の受領が記録される。

実証実験第二弾における4つの追加機能

 今回の第二弾の実験では、以下の4つの機能を追加開発した。

1)利用者登録・本人認証
利用者のメールアドレスといった個人と紐付く情報と、個人のスマートフォンに割り振られるユニークな鍵情報を紐付けて利用者登録・本人認証を行うことで、なりすましによる商品受け取りを防止。

2)トレーサビリティ
宅配ボックス内に赤外線センサーを設置することで、荷物のセンシングによるトレーサビリティが可能に。配送業者の荷物の納入確認ができるほか、荷物がない状態での利用者本人の受け取り操作を取引完了の条件とすることで、荷物の確実な受け渡しを実現。

3)スマートコントラクトによる取引の自動執行
宅配ボックスを仲介役に、荷物の受け取りを条件として自動的に取引を実行するスマートコントラクトを活用することで、第三者不要の当事者間のみの取引を実現し、取引の安全性と汎用性を担保。

4)セキュアで安定したデータ連携
宅配ボックスに搭載されている「HULFT IoT」で利用者情報を連携することで、セキュアなデータ連携が可能になり、課金・決済等のサービスと連携したビジネスも可能に。

ブロックチェーン利用の目的と効果

 ブロックチェーン上に情報を記録する目的は、「誰がいつボックスを開閉し、何を受領したのか」といった事実を半永久的に証明・保証することだという。宅配ボックスの開閉履歴や施錠・解錠要求などの情報は改ざんできない状態で記録されるため、一度施錠された宅配ボックスは、施錠時に指定した本人しか開けることができない仕組みが実現する。

 また、「本人のみ受け取り可能な宅配ボックス」に搭載された、荷物のセンシングや受け取りオペレーション、メール通知等の機能を活用することで、誤配送や盗難による荷物の紛失を防ぎ、対面取引と同等の配送品質が実現できる。さらに、スマートフォンアプリ側に実装されたエスクロー機能を活用すれことで、荷物の受け取りとともに代金を決済することも可能となり、不在時でも代金引換荷物の再配達の必要がなくなります。これにより、配送の効率化と利用者のさらなる利便性向上が図れるという。

 今後の展開としては、今秋(9月頃予定)に、池袋近辺の施設に宅配ボックスを設置し、その施設の利用者や就業者が「カエルパルコ」経由で池袋パルコのショップから購入した商品を、近辺の施設内で受け取る実験を計画している。

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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)

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