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サードパーティだからできる、端末エミュレータを活用したメインフレームの価値の最大化

 2017年の国内サーバー市場動向の調査結果などを見ると、メインフレームはプラス成長となっているようだ。成長した要因は、システムの更新需要がそれなりの規模で発生したため。つまりこれ、国内ではメインフレームを無くすという動きがかなり落ち着きをみせ、現状稼働しているメインフレームのシステムを今後も継続して活用していくとの企業サイドの意思の表れとも捉えられる。

サードパーティの立場で便利で使い易い端末エミュレータを提供

キヤノンITソリューションズ
プロダクトソリューション事業部
通信コミュニケーションソリューション本部
企画課 担当課長 橋本史朗氏

 「もちろんメインフレームを無くして、もっと軽いシステムに移行したいとの要望は引き続きあります。とはいえ、国内では移行できるシステムはあらかたやり尽くした状況です。今残っているメインフレームは、高い堅牢性やセキュリティ性の要求などから、オープン系のシステムには移行し難いものが残されています」と語るのは、キヤノンITソリューションズ プロダクトソリューション事業部 通信コミュニケーションソリューション本部 企画課 担当課長の橋本史朗氏だ。

 サーバーがインターネットに接続していなくても、WindowsやLinuxなどのオープン系システムの場合は、別経路からマルウェアに感染するリスクがある。対してメインフレームは、一般的なマルウェアの攻撃対象にそもそもなっていない。そのためマルウェアに感染するリスクは、かなり小さいと言える。次々と新たなサイバー攻撃の手法が発生する中では、こういった面からもメインフレームを手放せないとの声も聞こえる。

 また、オープン系のサーバーハードウェアでは、壊れることを前提として可用性の構成などは別途とるのが普通だ。それに対して、基本的には壊れないことを目指して設計されているのがメインフレームだ。その高い堅牢性と信頼性のあるハードウェアを求め、利用を続けている例もまだまだ多い。

 このような理由から、メインフレームは今後も残されていくだろう。一方で、メインフレームに接続する端末の環境がうまく追随できない状況があると橋本氏は指摘する。既に、メインフレーム接続用の専用端末機器は存在しない。なのでメインフレームに接続するのに、WindowsやWebブラウザで動く端末エミュレータが利用されている。メインフレームメーカーが自社製品に接続する端末エミュレータを提供しているが「メインフレームが高価だったこともあり、メーカー製の端末エミュレータは高額なものが多いようです。さらにビジネスの広がりがあまり期待できないためか、最新OSにもなかなかタイムリーに追随できていない状況もあります」とのこと。

キヤノンITソリューションズ
プロダクトソリューション事業部
通信コミュニケーションソリューション本部
企画課 川辺康二氏

 これらの課題を解決するために、サードパーティの立場であるキヤノンITソリューションズでは、端末エミュレータ製品「TCPLink」シリーズを展開している。キヤノンITソリューションズでは、サードパーティの立場を活かしIBM、富士通、日立、NECといった各社のメインフレームに幅広く対応する製品を提供しており、その上で競争力のある価格の提案もできるという。

 プロダクトソリューション事業部 通信コミュニケーションソリューション本部 企画課の川辺康二氏はこう語る。「実際Windows 7からWindows 10にクライアント環境を移行するだけで、接続する端末数が多ければメーカー製の端末エミュレータの更新に数千万円規模の費用がかかることもあるようです。OS更新に対応するだけでこれだけの費用がかかることを経営サイドがなかなか納得してくれない、との話もよく耳にします」。

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TCPLinkにはサードパーティ製だからこその付加価値がある

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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