自然言語処理の技術を活用し誰でもデータを簡単に活用できる
AIの普及、活用が大きく広がるのと並行して、アナリティクス、BIのビジネスも活況だ。BIソリューションを提供する独立ベンダー、Tableauの業績も好調だ。ビジネスが好調なTableauだが、つい最近大きな転換点もあった。それが2018年4月に行ったサブスクリプション型ライセンスへの大きな変更だと語るのは、Tableau Japan カントリーマネージャーの佐藤 豊氏だ。
当初Tableauの製品は、新しいテクノロジーをどんどん試すアーリーアダプターの顧客に評価された。BIツールとして評価されると同時に、Tableau製品は機能は豊富でも高いとの声があった。データを扱いたい全てのユーザーが、Tableauの全ての機能を必要としているわけではない。そこでサブスクリプション型でニーズに応じ選べる、使う人のロールベースのライセンス体系に変更したのだ。この変更で幅広い人が利用しやすくなったと佐藤氏。これまで一部の分析専門家しか利用していなかった企業で、全社規模でのデータ活用ツールにTableauを採用する動きなどにつながっている。
顧客のニーズに合わせて変化することで、ビジネスの好調を維持したTableau。同社では、以下のような2019年の「BIトレンド Top 10」を発表している。
- AIに信頼が不可欠
- 自然言語でデータがもっと分かりやすく
- 業務活用しやすいデータ分析環境
- データコラボレーションで拡大する社会貢献
- 倫理規定がデータにも適用される
- データ管理のモダンBIプラットフォームへの統合
- データストーリーテリング企業の新しい言語に
- 企業の分析環境導入がスマートに-データ民主化が加速
- さらにスキルアップするデータサイエンティスト
- クラウドへのデータ移行とともに加速するモダンBI導入
この中でも1、2にあるAIに関連するところは、日本でもデータ活用のトレンドとしてかなり重要なものとなるトレンドだ。「自然言語を使うことで、さらにデータを使う裾野を広げることができます」と佐藤氏。このAI、自然言語活用のために、2018年10月にTableauでは「Ask Data」の機能を発表している。Ask Dataは、BIツールの中でデータに対し質問を投げかけることができるようにするもの。Tableauを使っていて気になるデータが見つかれば、それについて普段使いの言葉でTableauに質問を投げかけることができる。そうするとTableauがその質問を理解し、分かりやすい言葉で答えてくれるのだ。
この機能はすでにベータ版として提供しており、2019年の第1四半期には正式に公開される予定だ。現状で投げかけられるのは、英語での質問だけだ。自然言語処理の部分は高度な処理が必要になるので、多言語化を急ぐのではなくまずは英語で使い込み技術を進化させる。その上で多言語へ展開する予定だ。とはいえ、現状でも日本語のデータに対し、英語で質問し答えを得ることならば可能となっている。
佐藤氏は自らAsk Dataの機能を使い、Tableauでデータを絞り込むなどの分析を行って見せた。
「ドラグ&ドロップよりも簡単で、会話する形で質問しデータを分析できます。より簡単にデータ活用ができるようにするために生まれたのがAsk Dataであり、これは人間が質問力を増すために開発した機能です」(佐藤氏)