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「データ保護はインフラの一部として考える」 マルチクラウド時代のデータ保護

マルチクラウド環境におけるデータ保護に必要な要素とは

 これからのデータ保護を考えると、忘れてはいけないのがクラウド化だ。現在では多くのワークロードがオンプレミス(物理や仮想)にあるが、ESGリサーチによると2023年には7割がクラウド(IaaSやPaaS)に移行するという予測がある。日本国内の意識調査だと、「全てのサービスをクラウドへ」と「一部のサービスをクラウドへ」を合わせると、4割を超える。適材適所でクラウドサービスを選んでいくと、複数のクラウドベンダーを併用することもありうる。

 マルチクラウドの観点からデータ保護を考えてみよう。マルチクラウドだと、さまざまなクラウドベンダーにデータが点在することになる。環境もばらばらだ。多くのデータ保護ツールが「シンプルさ」をうりにするものの、それは製品単体で見た場合だ。管理ツールを複数併用すれば、運用はシンプルでなくなる。

 近年データ保護が抱えている課題はデータやユーザー数の増加、プラットフォームの多様化、導入や運用コストの増加がある。これらを解決する要素として、鈴木氏は「管理のシンプルさ」、「多様性に対応できる多機能・高性能」、「データ保護のためのコスト低減」を挙げる。ここまではIT管理者が求めるものとほぼ同じだ。

 こうした要素に鈴木氏は「クラウドの活用」も付け加える。実際にクラウドの用途でデータ保護を目的とするものは多い。多くが無自覚だが、今や誰もが持つモバイルデバイスではデータはクラウドに格納され、バックアップもクラウドが使われている。

 企業システムだと、ディザスタリカバリやアーカイブのためにクラウドストレージを使うケースが少なくない。クラウド利用の最初の1歩がストレージサービスだったケースも多くあるだろう。かつてはデータ保管といえばテープだった。もちろん今でも有効ではあるものの、クラウドにアーカイブする選択肢もコストや信頼性の観点から現実的になりつつある。

 繰り返しになるが、近年のデータ保護が抱える課題を解決する要素として、鈴木氏が挙げたのが「管理のシンプルさ」、「多様性に対応できる多機能・高性能」、「データ保護のためのコスト低減」、加えて「クラウド活用」。

 どう実現していけばいいか。鈴木氏は大切な考え方として「データ保護はもはやインフラの一部です。サービスにバックアップをつけるのではありません。バックアップ基盤の上でサービスを動かすことが大事です」と強調する。

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基盤としてのバックアップは統合データ保護アプライアンスで実現できる

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この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:https://emiekayama.net

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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